映画【ヌイグルマーZ】感想(ネタバレ):高クオリティなゾンビ襲撃と武田梨奈の迫力アクションを堪能

Nuigulumar Z
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●こんなお話

 ゾンビだらけの世界で生命体に寄生されたぬいぐるみと合体してヌイグルマーZととして、恨まれてる娘さんを守る話。

●感想

 ゾンビの描写には非常に高いクオリティが感じられ、襲撃シーンはどれも見応えがあり、観ている間ずっと楽しめる場面が続きました。特撮に関しても井口監督ならではの独特で大胆な演出が随所に散りばめられており、その無茶苦茶な勢いがかえって作品の魅力となっていました。また、武田梨奈さんのアクション女優としてのキレのある動きや迫力も存分に発揮されていて、画面の中で輝きを放っていました。

 一方で、物語の進行についてはややテンポがゆったりとしている印象を受けました。頻繁に挿入される回想シーンが全体の流れを緩やかにしてしまい、主人公がなぜ「ヌイグルマーZ」となったのか、その背景や動機についての説明が丁寧に描かれている反面、現在の物語の展開がやや停滞しているように感じました。また、敵役であるカタキの心情の変化も時間をかけて説明されるため、その過程が細かく描かれているものの、どうしてそうした感情に至ったのか、理解が難しい部分もありました。

 さらに、主人公が守る娘さんとの関係性や、ヌイグルマーZに恋をしたという娘さんのエピソードも含まれており、そういった家族や人間関係のドラマに重点を置いている点は好感が持てましたが、個人的には正直なところ少し退屈に感じてしまいました。おそらく本作には特撮作品へのオマージュが数多く盛り込まれているようで、それを知っている方にとっては楽しみどころも多いのかもしれません。しかし、特撮に詳しくない私にはその細かい演出の意味や意図が理解しきれず、物語のペースがゆっくりに感じられたのかもしれません。

 とはいえ、しょこたんがヌンチャクを振り回すシーンは非常に印象的で、彼女の存在感が画面を一層華やかに彩っていました。その一点だけでも観る価値があると言える一本で、ファンの方にはきっと楽しめる作品だと感じました。

☆☆☆

鑑賞日:2014/08/07 DVD

監督井口昇 
脚本井口昇 
継田淳 
原作大槻ケンヂ 
出演中川翔子 
武田梨奈 
市道真央 
猫ひろし 
高木古都 
北原帆夏 
ジジ・ぶぅ 
斎藤工 
平岩紙 
山寺宏一 
阿部サダヲ 
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