●こんなお話
殺人ウィルスを撒いて特効薬を売って儲けようとする悪人たちと戦うトム・クルーズの話。
●感想
物語は、殺人ウィルスとその治療薬を開発した博士が、主人公そっくりに変装した敵キャラ・アンブローズに殺されるというショッキングなシーンから始まる。殺人ウィルスが売買されようとしているのを阻止するため、休暇中にロッククライミングを楽しんでいた主人公に新たなミッションが届く。
そのためにまずスカウトされたのが、盗みのプロである女性。彼女の実力を確かめるために主人公が尾行したり、車でカーチェイスのような出会いをしたりして、すぐにベッドイン。急に恋愛関係になる2人にはやや強引に感じましたが、シリーズらしいテンポの良さとも言えると感じたり。
ところが、彼女はかつてのアンブローズの恋人だった。上層部の命令で、彼女を敵のもとに送り込み、内部から情報を引き出すという計画が進行。主人公は複雑な想いを抱きながら、彼女を送り出す。
アンブローズのアジトでは、彼女がじりじりと視線を向けられながらも情報を引き出す任務に奮闘。競馬場での監視、製薬会社社長との接触、ブツのすり替えと、スパイ映画らしい展開が続いてく。彼女がアンブローズのポケットから盗み出した情報によって、殺人ウィルスが20時間で死ぬという重要な事実が明らかに。
しかし、彼女の行動に気づいたアンブローズは彼女を問い詰め、主人公との関係にも疑いを抱き始める。主人公の変装を利用して敵を混乱させるシーンでは、観客すら惑わせるミスリードが盛り込まれていて楽しいです。
後半、製薬会社の研究所に忍び込むシーンでは、屋上からの大胆な侵入、敵との銃撃戦、ヒロインの人質化といった怒涛の展開。彼女は自らの体にウィルスを注射し、時間との戦いが始まる。ウィルスを奪って治療薬と交換しようとするアンブローズの計画を阻止するため、主人公はカーチェイスの末、最後の決戦へ。
バイクアクション、爆発、銃撃戦、そして肉弾戦とアクションのオンパレード。特に炎の中からバイクで飛び出すシーン、サングラスとジャケット姿で登場するトム・クルーズの決めカットはまさにクールの極み。
恋愛要素も適度にあり、敵も味方も恋に悩む描写が入っているのが面白かったです。アンブローズのねっとりとした視線や、ヒロインに対する執着心もキャラクターに深みを与えていたと思います。
ジョン・ウー監督らしいスローモーションや白い鳩、ダンスのような銃撃戦は控えめでしたが、それでも125分の中で濃密なアクションをこれでもかと詰め込んだ作品に仕上がっていた。後半1時間の盛り上がりは特に素晴らしく、文句なしの娯楽映画として楽しめる一本だと思います。
☆☆☆☆
鑑賞日:2011/12/17 Blu-ray
監督 | ジョン・ウー |
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脚本 | ロバート・タウン |
出演 | トム・クルーズ |
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ダグレイ・スコット | |
サンディ・ニュートン | |
ヴィング・レイムス | |
リチャード・ロクスバーグ | |
ジョン・ポルソン | |
ブレンダン・グリーソン | |
レード・セルベッジア | |
アンソニー・ホプキンス |