映画【ハダカの美奈子】感想(ネタバレ)

minako
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●こんなお話

 離婚して小豆島を離れて暮らしてる子だくさんの主人公のシングルマザーの話。

●感想

 長男は5年前だかに家出してたけど、このたび結婚するとメールが入って長男の元へ旅をするというロードムービー。
 主人公の中学時代とかの様子がどう見てもヤンキーの昭和コントみたいな格好にしか見えないとか笑わせようとしてるのか本気なのか見ててただただ戸惑いました。

 展開がすごいうねりのある映画で、中年男性のサクちゃんという人が主人公たちと一緒に息子さんのもとへ旅することになりますが、彼の過去が語られる回想で娘を残してお店で間違って火薬を……というのも凄い映像で笑いそうになりました。そしてサクちゃんが主人公一家のもとへやってくるのも、ガス自殺しようとしたところを娘さんに救われるという偶然。
 旅館で合間に入る夫婦漫才とかサクちゃんと刑事さんが露天風呂で会話とか笑っていいのかどうなのかこれまた戸惑うという。

 そして息子さんがいる牧場へやってくる主人公たち。息子さんのお嫁さんを演じるのは原作者の美奈子さん自身というのが演じるという爆弾っぷりが凄いです。
 この映画の登場人物たちは無計画にしか見えなくて、何も考えず子どもがたくさん作っていくというもので、子どもを育てるときの生活基盤とかほとんど描かれないです。子どもを育てる覚悟ということで刺青を掘ったりするのもよくわからなかったです。
 長男が7人目の子どもが産まれるというのがわかると「よくやった」と簡単に言ってしまう主人公。 

 クライマックスも凄い展開で、大学進学の夢を諦めようとした娘さんをあえて突き飛ばして東京へ行かせようとする主人公。その嫌われ役をやって娘を応援するというのは理解できますが、帰り道の車でそれをやって、そのまま車から降ろしてしまうという。海岸で風力発電の羽根が回る場所で何もないです。東京のマンションの鍵を渡すだけ。お金とかも渡してないようでした。

 ただ主人公の娘さんのいじめ問題は解決してないし、借金問題も解決してないのはいかがなものか? と思いました。
 とはいえ、ロードムービーとしてしっかりしっかりと描かれていて感動できる内容で美談として描かれていて、この映画の主張と考えは違えどしっかりとした映画で面白かったです。

 子どもたちが母親の事を「ミナ~」と名前で呼んだり、子どもたちの名前がシオン、ノエル、キララ、ライムとか昔ながらの保守派な考えのボクからしたらここは日本か? と戸惑う人たちでしたが。
 綺麗な映像とちゃんと成長していくロード―ムービーとして98分楽しめる映画でした。

☆☆☆

鑑賞日:2014/06/15 DVD

監督森岡利行 
脚本森岡利行 
原作美奈子 
出演中島知子 
階戸瑠李 
菅谷哲也 
平嶋夏海 
冨手麻妙 
栗栖なつみ 
三好杏依 
永島のん 
美奈子 
重松隆志 
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