映画【メン・イン・ブラック:インターナショナル】感想(ネタバレ):スタイリッシュな映像と懐かしさの狭間で揺れるSFアクション

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●こんなお話

 新人エージェントと先輩エージェントがMIBに内通者がいるぞと疑いながら惑星破壊できる超兵器を巡って宇宙人と大騒ぎの話。

●感想

 子どものころにMIB(メン・イン・ブラック)と宇宙人を目の当たりにした主人公が、自ら志願してエージェントとなり、ベテランの先輩とコンビを組んでさまざまな事件に挑んでいく。

 このシリーズの見どころの一つであるハイテク武器や車のギミックは今作でも健在で、特に車のデザインや変形ギミックには目を引かれるものがありました。敵役として登場する双子の宇宙人が繰り出す攻撃をかわすシーンはスピード感と迫力があり、アクションの見せ場としては楽しめました。

 しかし、シリーズを刷新するような新章としての期待を考えると、2019年に公開された作品としては物足りなさが残りました。主人公たちのキャラクター性にこれといった魅力や新鮮さがなく、どこかで見たような設定や展開が続きます。時代に即した新しさや驚きも乏しく、退屈に感じてしまう場面が多かったです。

 「MIB内部にスパイがいる」というサスペンス的な要素もあるが、関係者が主人公2人とその同僚、そして上司の4人程度しかいないため、誰が内通者なのかを推理する面白さや緊張感も生まれにくいと感じます。内通者が判明しても「やっぱりね」といった程度の感覚で、驚きや盛り上がりに欠けていました。

 また、超兵器を巡る戦いに登場する武器商人たちも緩い展開ばかりで、サスペンスや緊迫感を味わうような構成にはなっていない。かといってギャグやコメディとして笑える要素も少なく、どっちつかずの印象が強かったです。

 バディムービーとしての軽快な掛け合いや、刑事ものとしての捜査のスリル、SFアクション映画としての高揚感——それらすべてが中途半端で、全体としてはどこか古臭さを感じさせる映画でした。

 正直なところ、この映画を見るなら初代『MIB』を見直したほうが満足感が高いのではないか、と思ってしまいました。

☆☆

鑑賞日:2019/07/05 TOHOシネマズ川崎 2020/03/21 WOWOW

監督F・ゲイリー・グレイ 
脚本マット・ホロウェイ 
アート・マーカム 
出演クリス・ヘムズワース 
テッサ・トンプソン 
リーアム・ニーソン 
エマ・トンプソン 
レベッカ・ファーガソン 

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