●こんなお話
殺人事件の目撃者と犯人が大みそかの仮装パーティーが行われるホテルに来るってんで刑事とホテルマンが捜査する話。
●感想
物語は、タンゴを踊る主人公の刑事と他の刑事たちが会議をしているシーンから始まる。犯罪の目撃情報がFAXで次々と届き、刑事たちはその対応に追われる。ホテルでは、ホテルマンが窓の外の看板について黒澤明作品を思わせるような繊細な要望を出し、それに対応する様子が描かれます。
やがて殺人事件が発生し、その犯人が大みそかのホテルの仮装パーティーに現れるという情報が入り、刑事たちは潜入捜査を開始。次々とやってくるお客さんたちを一人一人マークしながら、その人物像が紹介されていきます。奥さんとのディナーを素敵にしたいと無理難題を言う男性、挙動不審な男、不倫関係の男女、夫婦で宿泊予約をしたのに女性しか現れない謎の客など、個性的な登場人物たちが次々と登場する。
警察は怪しい人物を確保するものの、結局は無関係だった。一方、ホテルマンが一人きりになったところを真犯人に襲われ、主人公が駆けつけてレスキュー。助かるのか助からないのかの緊迫した場面が続き。真犯人の動機は、双子の妹がかつてレイプされ、警察からのセカンドレイプに苦しみ自殺した過去があり、それに対する警察への恨みが背景にあると語られる。
さらに、ホテルマンが実はロサンゼルスへ栄転するテストを受けていたという真相も明かされ、物語はお正月のシーンへと移っていく。
正直、台詞で長々と語られる真犯人や登場人物の身の上話は中盤でやや冗長に感じました。夫婦で予約したのに女性一人しかいない謎の女性がチャペルで事情を語るシーンや、犯人と主人公が取り調べで動機を説明し合う場面は、テンポが落ちて退屈に感じる部分と感じたり。仮装パーティーやアルゼンチンタンゴの要素も個人的にはあまり興味がわかず、ややぼんやりとした印象が続きます。
怪しい人物が次々と現れては「違った」という展開や、望遠カメラを買っていたのがこの人、脅迫していたのがあの人、と真相が次第に明かされる構成も、もう少し盛り上がりや深みがあればもっと面白くなったのではないかと感じる1作でした。
☆☆☆
鑑賞日:2022/10/30 Amazonプライム・ビデオ
監督 | 鈴木雅之 |
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脚本 | 岡田道尚 |
原作 | 東野圭吾 |
出演 | 木村拓哉 |
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長澤まさみ | |
小日向文世 | |
梶原善 | |
泉澤祐希 | |
東根作寿英 | |
石川恋 | |
中村アン | |
田中みな実 | |
石黒賢 | |
沢村一樹 | |
勝村政信 | |
木村佳乃 | |
凰稀かなめ | |
麻生久美子 | |
高岡早紀 | |
博多華丸 | |
鶴見辰吾 | |
篠井英介 | |
石橋凌 | |
渡部篤郎 |