映画【マン・オブ・スティール】感想(ネタバレ):クリプトン星から地球へ 壮大なスーパーマンの旅路をたどる

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●こんなお話

 スーパーマンの始まりを描いた話。

●感想

 クリプトン星で新たな命が誕生した瞬間から物語は壮大に始まります。滅びゆく星の運命が明らかとなり、元老院では緊迫した話し合いが繰り広げられていました。そのような中、軍人であるゾッド将軍がクーデターを試みますが失敗し、追放されてしまいます。赤ん坊の父親はこの騒動の中で命を落とし、母親は愛しい我が子を守るため、クリプトン星からの脱出を決意します。こうして、赤ん坊は地球へと送り出され、クリプトン星はその姿を消しました。

 地球に降り立った赤ん坊は、育ての親のもとでのびのびと成長していきます。成長した彼は遠洋漁業に従事し、困難な現場でも勇敢に人々を助ける姿を見せておりました。例えば、油田の爆破現場では裸で人命救助にあたり、トラブルを起こしたトラック運転手に対しては自らの手で反撃を試みるなど、心の強さも印象的です。

 物語は少年時代の回想も織り交ぜながら進み、育ての父親から「スーパーパワーの使用は禁止だ」と厳しく言い聞かされる中で葛藤を抱える主人公の姿が丁寧に描かれています。

 やがて、彼は自らの出自を示す宇宙船を発見し、そこに込められた父親のメッセージを受け取ります。自分がクリプトン人であることを知り、未知の力を覚醒させる瞬間は感慨深いものがあります。

 しかし、宇宙船の起動は追放されたゾッド将軍たちを地球に呼び寄せる結果となり、彼らは主人公の引き渡しを要求します。主人公は人類の側に立ち、進んで身柄を差し出しますが、交渉は決裂し、ヒロインとともに脱出を図ります。これが三つ巴の戦いの幕開けとなり、壮絶なバトルが繰り広げられました。

 ヒロインが見つけ出したクリプトン人の弱点を突くため、主人公の宇宙船に特殊な装置を接続し、ブラックホールを作り出す作戦が実行されます。米軍や科学者の協力により、敵の大群は次々と吸い込まれ、戦況は大きく変化しました。最後はゾッド将軍との一騎打ちとなり、激しい戦闘の末に決着がつきました。

 冒頭のクリプトン星の激しいアクションから大人になった主人公の流浪の旅へとつながる構成は、知名度の高いキャラクターだからこそ可能な大胆な演出であり、見応えがありました。主人公が自分の存在に悩みながらも生きる姿は、従来のヒーロー像とは異なる魅力を持っています。

 ゾッド将軍も単なる悪役ではなく、クリプトン人復興という信念に動かされており、物語に深みを与えています。そのため、勝利の爽快感よりも複雑な感情が残りますが、これもまた物語の奥行きとなっています。

 育ての父からの戒めを守り続けてきた主人公が、その禁を破らざるを得なくなった時、物語は新たな展開を迎えます。迫力のあるCGバトルは圧巻で、爆発の連続とハンス・ジマーによる迫力の音楽が映像の迫力を一層高めております。

 ケビン・コスナーとダイアン・レインが育ての両親として登場する演出は、作品に温かみをもたらし、心に残る大きな魅力となっています。

☆☆☆

鑑賞日: 2013/09/12 Blu-ray  2013/12/25 Blu-ray

監督ザック・スナイダー 
脚本デヴィッド・S・ゴイヤー 
原案デヴィッド・S・ゴイヤー 
クリストファー・ノーラン 
出演ヘンリー・カビル 
エイミー・アダムス 
マイケル・シャノン 
ケビン・コスナー 
ダイアン・レイン 
ローレンス・フィッシュバーン 
アンチュ・トラウェ 
アイェレット・ゾラー 
クリストファー・メローニ 
ラッセル・クロウ 
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