映画【ルパン三世(2014)】感想(ネタバレ):ルパン三世が挑む新たな大勝負!裏切りと復讐、そして銭形との共闘が熱い!?

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●こんなお話

 お宝を巡って泥棒たちでアクションする話。

●感想

  物語の始まりはシンガポール。ルパン三世とその仲間たちが狙うのは、あるお宝。だがその獲物を奪ったのはルパンのライバル。実はこの盗み、泥棒集団の次期会長の座を決めるための勝負だった。だがその場に裏切り者が現れ、会長を殺してしまう。

 時は流れて1年後。ルパンたちは復讐のために再び動き出す。銭形警部から情報を得て、タイの裏社会を牛耳る大富豪が新たなお宝を持っていると知る。そしてその大富豪と、ルパンを裏切ったライバルが取引をするという話が浮上する。

 ルパンは五右衛門を仲間に迎え、不二子は敵方からスカウトを受ける。オークション会場のような場所でライバルと大富豪が取引を始めるが、実はライバルが騙され、大富豪がすべてを手にしてしまう。

 結果的にライバルもルパンたちと手を組み、大富豪の要塞へ乗り込むことに。銭形警部の協力もあり、激しい戦いの末に大富豪たちを逮捕。お宝を巡る争奪戦はおしまい。

 この作品では、ルパン三世や不二子、次元、五右衛門といったおなじみのメンバーが集合しますが、冒頭からアクションシーンが続くわりに、彼らが“凄腕の大泥棒”に見えなかったです。序盤から失敗の連続で、なぜこの人たちが余裕ある生活を送れているのか疑問が湧き、物語に入り込むのが難しかったです。

 本来であれば、主人公たちの能力やキャラクターを強く印象づけてから、巨大な敵に挑む構図にすれば納得しやすいと思いますが、最初からずっとおっちょこちょいの集団に見えてしまい。

 アクションシーンも、流れるような展開や感情と結びついた演出がほとんどなく、単発でアクションを消化している印象で。序盤で仲間が死んでもその後に特に触れられず、感情の流れがないまま話が進んでいく感じでした。次元の射撃や五右衛門の斬鉄剣も登場するものの、あまり魅力的に配置されているとは感じられなかったです。

 お宝を盗むというチームプレイで難攻不落の要塞に挑むワクワク感もあまりなく、漫画的な面白さやスタイリッシュさも物足りなかったです。かといってハードボイルドな作風でもなく、コミカルさも中途半端で、全体的に方向性が定まっていない印象だったです。

 裏切った仲間にも理由があり、最終的には一緒に敵の要塞に突入する展開になるが、敵が銃を構えて待ち構えるところに正面から突っ込むという乱暴なプラン。これはエクスペンダブルズかな?と思いながら見ていました。銃や刀で正面突破するにしても、もう少し工夫や緊張感のある見せ方が欲しかったです。

 クライマックスもただ銃を撃っているだけに見えてしまい、退屈。せっかくルパンたちには独自のキャラクターと魅力があるのだから、それを活かしたユニークな作戦や展開が欲しかったです。

 アニメ版のファースト、セカンドシーズン、劇場版を何本か観ている程度の自分でも、スピード感をあまり感じず、130分が長かったです。盗みのスリルやチームの連携プレー、キャラの無茶苦茶な魅力が薄くて、全体的に個性が見えてこなかったのが残念。

 銭形警部に関しても、ただ説明セリフを喋るだけのキャラクターになっていて、彼が登場するたびに長台詞が始まり、テンポが落ちてしまっていたと思います。

 そもそもルパンが所属しているという泥棒集団は何なのか? 知らないハッカーやプログラマー、ライバルキャラも唐突に登場して、その背景が語られないので感情移入できなかったり。

 そして何より残念だったのは、大野雄二の有名なメインテーマが劇場の爆音で流れなかったことで。あれが流れたらそれだけでテンションは何倍にも跳ね上がったのに…と。その点でも物足りなさが残る映画でした。

☆☆

鑑賞日: 2014/07/24 試写会  2015/04/16 TSUTAYA TV 2023/10/07 Amazonプライム・ビデオ

監督北村龍平 
脚本水島力也 
原作モンキー・パンチ 
出演小栗旬 
玉山鉄二 
綾野剛 
黒木メイサ 
浅野忠信 
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