●こんなお話
現在の殺し屋の自分と未来の殺し屋の自分が戦う話。
●感想
タイムトラベルもので突っ込みどころもありますが、若い自分と30年後の自分が戦うという設定が面白く。序盤の未来の状況説明、設定からして面白く簡単に人が殺されて格差社会が進んでいる世界。
突っ込みどころもありますが、登場人物が「タイムトラベルは面倒くさい」と言ってしまっているし主人公の成長を描いてる映画なので突っ込みどころより面白さが上回っているのでアリです。あくまで未来からきた自分との対立というのを描いてます。
今の自分は未来の自分を殺害しようとして、未来の自分は妻を殺されたので、過去へ戻り妻を殺した犯罪組織のボスの子ども時代で殺しちゃおうというターミネーター的な存在。同時進行で、自分自身のために行動するのを見せていく面白さ。特に未来の自分は、過去の自分が死んでしまうと自分も消えてしまうので。過去の自分に殺されそうになりながらも助けないといけないという行動をしないといけないのが面白かったです。
主人公ジョーと未来のジョー。そして狙われるシドという少年とその母親サラ。この人たち全員が明確な目的を持っていて、かつ誰に対しても感情移入できるため。最後に銃口を向けあう姿は涙があふれそうになりました。
若いジョーとシドは母親に捨てられたと思って愛を信じられない。そのためシドのある能力のため悪魔になると思っていますが、彼を救うために未来のジョーと戦う決意をする。
未来のジョーは犯罪組織のボスになるはずの子どもは3人いて、1人1人殺していこうとする。未来で妻に「いい母親になれたのに」と語っていたのに、子どもを殺害しないといけない苦しみ。子どもに銃を向けた後に泣き崩れる姿も感動的です。
子どもシドは怒ると壮絶な表情になり、サラは地下室みたいなところに隠れます。その後、殺し屋に襲われたときにわかるシドの能力。シドはサラのことを義理の母と思っています。
最後の戦いで、主人公がとる行動。ジョーとシドの関係にしっかりと答えを出しているのもよかったです。それは、ジョーもシドも母の愛を感じることができなかった。ジョーは、序盤に友人を裏切り自己中心的な人物ですが、最後には親子のために戦う成長を見せ、子を持つ母親に手を添えながら眠りにつき、シドは本当の母を知り眠りにつく。2人の幸せを願ってフェードアウトする映画でした。
とはいえカタキ役がマヌケすぎたり、ルーパーって待ち時間に人撃ち殺すだけで大金手にできるんだ? とか、そもそも何であんなだだっ広い場所で殺してんだ。とか。キッドは何で未来のジョーを殺さずに生け捕りにしたんだろう? とかいろいろあります。あと、チト中盤が会話シーンが多くなり停滞しちゃったかなぁとも思います。ただ、中盤の会話シーンは終盤に関係していくので必要ではあります。
それにわかりづらい部分もあって、主人公はフランス語を習っていたのに未来のジョーは上海で生活するシーンがあります。それは、ジョーと未来のジョーは違う世界に生きているのだということかな? と思いました。未来のジョーが過去にタイムスリップしなければフランスにいっていたのかな? と思いました。
シドを悪の道に堕とさないために主人公の成長が感動できる素晴らしい映画でした。
☆☆☆
鑑賞日: 2015/02/09 Hulu
監督 | ライアン・ジョンソン |
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脚本 | ライアン・ジョンソン |
出演 | ブルース・ウィリス |
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ジョゼフ・ゴードン=レヴィット | |
エミリー・ブラント | |
ポール・ダノ | |
ジェフ・ダニエルズ |