●こんなお話
いじめられっ子が同じ団地に引っ越してきたヒロインと出会って、どうやらヴァンパイアなんじゃないかという話。
●感想
オリジナルの『ぼくのエリ200歳の少女』とほぼ一緒に展開するストーリーでプラスホラー描写がパワーアップしていると思いました。
その反面、オリジナルにあったスウェーデンの寒い青空のもとしんしんと積もる雪景色の美しさの中での静かな恋物語の魅力は半減してしまっていたと思います。
それにハリウッドらしくわかりやすさも倍増していて、主人公たちの説明台詞が増えていて、原題にもなっている「人に招かれないと家の中に入れない」などヴァンパイアのルールなんかを丁寧に描写していました。「女の子じゃなくてもいい?」なんて台詞もしつこいくらいありました。
オリジナルでは少女の保護者が血を求めて人間を襲い失敗するというオマヌケなことをしますが。こっちでは、車に忍び込むシーンがなかなかのサスペンスで、結構ドキドキしてしまいました。失敗して逃げるシーンでの車内で固定したままのクラッシュなんかも迫力あるものでよかったです。
更にオリジナルでは、この保護者のおじさんとエリとの関係が、そのまま、主人公のオスカー君との未来なのか。それとも本物の恋なのか? と考える余地のある映画でしたが。リメイク版では、少女アビーと保護者のおじさんの過去の写真が出てきて、関係性が判明してしまうので。この映画が終わった後の主人公2人の未来は、アビーが少年を利用してしまう関係になってしまうのではないかと思ってしまって残念でした。
リメイク版初登場の刑事さんも、真相に迫ろうとする刑事さんで、だいたい、真相に迫ろうとする優しいおじさん刑事の末路はお約束のもので面白かったです。アビーが、人を襲うシーンのウルフマン的な動きも怖くてよかったです。
それにアメリカもスウェーデンも、いじめ問題がすごかったです。特に、リメイク版のこちらのいじめの描写はなかなかハードで主人公かわいそうすぎでした。ガキ大将を怒らせては駄目だと勉強になりました。
オリジナルとほとんど一緒ですが、ある意味それで楽しめると思いました。それに、オリジナルを観てなければ。更に楽しめる内容になっていたと思いました。
☆☆☆☆
鑑賞日:2012/01/12 Blu-ray
監督 | マット・リーヴス |
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脚本 | マット・リーヴス |
原作 | ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト |
出演 | クロエ・グレース・モレッツ |
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コディ・スミット=マクフィー | |
リチャード・ジェンキンス |