●こんなお話
今回はパンダ自らの出生を思い出していく話。
●感想
邪悪な野望を抱くクジャクが、中国の制服を狙い、強力な大砲を発明したところから始まります。彼はその大砲を大量生産するため、各地の村から鉄を徴発していきます。平和な村を守るべく、主人公であるパンダのポーとマスターファイブたちは、クジャクの軍勢に立ち向かうことになります。
しかし、戦いの最中、ポーは自身の幼い頃の記憶――両親との悲しい別れ――を思い出してしまい、心の動揺から身体が動かなくなってしまいます。そして父親と思っていたガチョウから、実の親子ではないという衝撃の事実を聞かされ、大きなショックを受けます。
クジャクの陰謀を阻止するため、ポーたちは旅に出て、捕らえられた伝説の達人・マスターワニやマスターウシを救出するために敵地に潜入します。激しい戦闘の末にたどり着きますが、達人たちは「戦いでは何も変わらない」として脱獄を拒否。結果としてポーたちは囚われてしまいますが、マスターカマキリの活躍で辛うじて脱出に成功します。
しかし、ポーの不調は続き、戦いの中で何度も立ちすくんでしまいます。仲間のタイガーからも厳しい叱責を受け、さらに精神的に追い込まれる。そんな中、ポーはクジャクと対峙し、両親にまつわるさらなる真実を聞かされます。ポーが赤ん坊の頃、故郷であるジャイアントパンダの村がクジャクの軍によって襲撃され、母親が命懸けでポーを逃したという悲劇的な過去が明かされます。
その後、川に落下したポーは、クジャクのもとにいた予言者に助けられ、彼の過去や運命について深く語られます。そしてポーは、自らの運命を受け入れ、「内なる平和」を見つけることによって精神的に大きく成長を遂げる。
一方で、クジャクに捕らわれたマスターファイブを救うため、ポーは再び立ち上がります。激しい戦闘の中、マスターワニ、マスターウシ、そして師匠のマスターシーフーまでもが加勢し、クジャクの野望に立ち向かいます。やがてクジャクが放った大砲がポーに向けて発射されますが、ポーは内なる平和の力によってこれを見事に受け流す。
クジャクは最終的に倒れ、戦いは終息。ポーたちは村に戻り、育ての親であるガチョウとの絆を改めて確認し、おしまい。
本作の映像美は圧巻であり、スピード感や躍動感も非常に高く、まさにアニメーションでしか表現できない迫力のアクションが続きます。情報量が非常に多いため、1回観ただけではすべてを理解しきれないほどですが、それが逆に何度でも楽しめる魅力とも言えると思います。
今回は、ポーの出生の秘密というドラマ性と、クジャクとの死闘というスリリングな展開が絶妙に交差し、見応えあるストーリーに仕上がっていました。特に、ギャグとシリアスがうまく混ざり合った演出や、パンダのポーが育ての親のガチョウに驚くシーンなど、思わず笑ってしまう場面も多く、楽しく観ることができました。
自らの過去を受け入れ、「内なる平和」を見つけ出したポーの成長物語は、心に残る感動を与えてくれるものとなっており、非常に完成度の高い一本でした。
☆☆☆☆
鑑賞日:2012/02/09 Blu-ray 2024/09/01 U-NEXT
監督 | ジェニファー・ユー |
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脚本 | ジョナサン・エイベル |
グレン・バーガー |
出演(声) | ジャック・ブラック |
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アンジェリーナ・ジョリー | |
ジャッキー・チェン | |
デヴィッド・クロス | |
セス・ローゲン | |
ダスティン・ホフマン | |
ヴィクター・ガーバー | |
ジャン=クロード・ヴァン・ダム | |
ジェームズ・ホン | |
ミシェル・ヨー | |
ルーシー・リュー | |
ゲイリー・オールドマン | |
デニス・ヘイスバート | |
ダニー・マクブライド |