●こんなお話
日本橋で起こった殺人事件を捜査する刑事さんの話。
●感想
こういう推理ものは、主人公の魅力でみせたりしなければいけないですが。加賀恭一郎さんは、一体何を考えて捜査しているのかが全く描かれないため、全く魅力を感じられないのが痛いです。むしろ、加賀さんのパートナーの若い刑事のほうが魅力的でした。
では、殺人事件の意外なトリックだったり衝撃の真犯人だったりを楽しめるのかと思いきや。そちらもなんとも微妙なものになってました。
オープニング、いきなり死ぬ登場人物に現場にいた凶器を持っていた男性が車に轢かれて意識不明となってしまうという出だしは、とても面白かったです。一体、この現場で何が起こったのか? と興味をそそられるもので素晴らしかったです。
よかったのは、オープニングだけで。序盤から中盤は意識不明の重要参考人の恋人のガッキーがメインで描かれますが。途中から存在が消えてしまうのに驚きました。事件の真相がわかる、クライマックスでは事件とは一転、家族のある悲しい事故から始まった一連の流れの説明に入るので。序盤は、ガッキーを描いてたのに後半はある家族の話を感動的に描かれるのに感情移入はできませんでした。
家族を描くのなら、序盤からもっと深く描いてくれないと最後30分だけいきなりいろいろ過去を語られても戸惑ってしまいます。ガッキー、どこいったんだ? と思ってみてました。
主人公達の捜査もよくある刑事ものと何ら変わりなく。捜査本部で聞き込みの報告、次にどの線で追うかの確認。そして、聞き込み。と、この繰り返しを見せられても困ります。しかも、推理ものの宿命か、状況を台詞で説明するので。油断すると、次の展開を聞き逃しそうになってしまいました。
そして、クライマックスで真犯人と殺された中井貴一さんの行動の真意を主人公は語り始めますが。何故、中井貴一さんの心の中までわかっているように喋るのかがわかりませんでした。「主人公だから」という理由しか思えませんでした。
何故、映画にしたのかがよくわからない映画でした。しかもタイトルの「麒麟の翼」の意味を知ったときは、ズッコケてしまいました。
☆☆
鑑賞日:2012/01/28 試写会
監督 | 土井裕泰 |
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脚本 | 櫻井武晴 |
原作 | 東野圭吾 |
出演 | 阿部寛 |
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新垣結衣 | |
黒木メイサ | |
溝端淳平 | |
田中麗奈 | |
松坂桃李 | |
菅田将暉 | |
三浦貴大 | |
劇団ひとり | |
竹富聖花 | |
山崎賢人 | |
聖也 | |
山崎努 | |
中井貴一 |