映画【キック・アス/ジャスティス・フォーエバー】感想(ネタバレ):派手だけど芯がない?クロエは最高だけど…

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●こんなお話

 相変わらず自警団的なことをしようとするけど、キックアスは仲間を増やして活動している。ヒットガールはヒーローをやめるように諭され普通の学生さんとして生きて行こうとするけど…な話

●感想

 相変わらずクロエ・グレース・モレッツはめちゃくちゃ可愛いし、アイドル映画としては間違いなく成功してると思いました。アクションの迫力も前作よりアップしていて、映像的にはかなり楽しめる仕上がりでした。

 でも「キック・アス」という作品の続編として見ると、やっぱり失敗してる気がしていて。前作にあった、実力はないけど正義を追い求めるキック・アスと、実力はあるけど心がまだ追いついてないヒットガール。この2人の対比がすごく魅力だったですが、それがごっそり消えてしまっているのが一番の問題だと思いました。

 新たに登場するヒーロー軍団のリーダー的存在としてジム・キャリーが出てきますが、彼のキャラは完全に前作のビッグ・ダディを10倍に薄めたような感じで。個性もインパクトも薄くて、物語においてもあまり重要な役割を果たしていない印象。

 カタキ役の反撃シーンも2回あって、それぞれで恋人や身近な人が襲われる展開になりますが、正直同じようなシーンが続いてちょっとくどかったです。そして父親が逮捕されて…という流れも完全にスパイダーマンのテンプレートをなぞっているようで、キック・アスというキャラのオリジナリティが薄れてしまっているのも残念でした。

 しかも敗北→リベンジ→敗北→リベンジというような構成が繰り返されるだけで、キック・アスとしての成長があまり感じられず。ジム・キャリーの退場も特に主人公の心に影響を与えるわけでもなく、彼の存在意義が感じられなかったです。

 敵側は敵側で、葬儀の最中に襲撃してカーチェイス、さらには警官10人殺害など、とにかくやりすぎ感が目立ってしまって、派手さだけが浮いてしまった印象。前作のような、痛快さやユーモアを交えたバランス感はほとんど感じられなかったです。

 そもそも「金も知恵も体力もないオタクが、それでもヒーローになれる」という前作の芯の部分が、今回はほとんど描かれず、見た目の派手さだけをなぞったような作品になってしまっていたのが何より残念でした。

 マカロニウエスタンや香港アクションへのオマージュが消えて、単なるアメコミ的ヒーロー映画としてまとまってしまっている感じで、「キック・アス」独自の魅力が半減してしまった続編だったと思いました。

☆☆

鑑賞日: 2014/02/23  TOHOシネマズ南大沢  2015/04/29 Blu-ray

監督ジェフ・ワドロウ 
脚本ジェフ・ワドロウ 
原作マーク・ミラー 
ジョン・S・ロミタ・Jr 
出演アーロン・テイラー=ジョンソン 
クリストファー・ミンツ=プラッセ 
クロエ・グレース・モレッツ 
ジム・キャリー 
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