映画【ベスト・キッド:レジェンズ】感想(ネタバレ):ジャッキーとマッチオ共演の新章

Karate Kid:Legends
スポンサーリンク

●こんなお話

 ドラゴンキックの使い手の少年がニューヨークで空手大会に出場して5万ドル稼ごうとがんばる話。

●感想

 リーは北京で師匠ハンからクンフーを学ぶ若者だったが、一年前に兄ボーが試合後に刺されて命を落としたことが家族を大きく変えてしまう。母親は新しい職を得るためにニューヨークに移り住み、リーも新しい学校で生活を始めることになる。

 ニューヨークではクラスメイトのミアと親しくなり、彼女の父で元ボクシングチャンピオンのヴィクターとも出会う。ヴィクターは現在ピザ屋を営んでいたが経営は苦しく、地元で力を誇示するデモリション道場のオーナー・オシェアに借金も抱えていた。オシェアの弟子であるコナーはミアの元恋人でもあり、リーとの対立が徐々に表面化していく。やがてオシェアの手下による襲撃でヴィクターが危険にさらされ、リーは自らのクンフーの技で彼を救う。これをきっかけにヴィクターの復帰戦を支えることを決意し、ボクシングのトレーニングを手伝うことになる。

 ところが復帰戦では不正な攻撃を受けたヴィクターが重傷を負い、リーは兄の死と「戦わない」という母との約束の間で揺れ動く。そんな彼を助けるために師匠ハンがニューヨークへやって来る。そしてさらに、空手の達人であるダニエル・ラルーソへ協力を依頼。『ベスト・キッド』の主人公として知られるダニエルと、ハン師父の二人が揃ってリーを鍛えるという夢のような展開が始まる。

 大会での決勝戦、リーはコナーと対峙する。序盤は劣勢に立たされるが、二人の師匠から受け継いだ助言を活かし、戦い方を変えることで徐々に優勢へと傾けていく。そして“ドラゴン・キック”と新たに習得した足払いの技を組み合わせて勝利を収める。卑怯な攻撃を仕掛けようとするコナーも退け、完全な勝利を手にしたリーは観客の前で大きな成長を示すことになった。

 勝利後にはヴィクターのピザ屋が再び繁盛する兆しを見せ、ミアとの関係も深まる。物語の最後にはリーがダニエルへ感謝の品としてピザを送り、道場仲間のジョニー・ローレンスとの軽口言っておしまい。

 ニューヨークの街並みや生活感がしっかり描かれていて、その舞台設定の雰囲気はとてもよかったと思います。また『ベスト・キッド』ユニバースのキャラクターが同じ画面に収まる瞬間はファンにとって嬉しいご褒美であり、特別感のあるシーンでした。

 ただ一方で、展開のテンポが早く、感情移入する前に物語が次々と進んでしまう印象もありました。修行シーンにユーモアや面白みがあまりなく、リーが最初からある程度強いため成長の実感が薄かったのも残念に感じます。兄の死というトラウマも、物語に十分に絡め切れていないように見えました。

 そしてジャッキー・チェンとラルフ・マッチオという二人の師匠の共演は夢の組み合わせでしたが、二人の化学反応はやや淡泊で、とくにラルフ・マッチオが立ち尽くすだけのように見えてしまったのは惜しかったです。それでも全体としては楽しく鑑賞できる作品で、満足感のある一作であったと感じました。

☆☆

鑑賞日:2025/09/21 イオンシネマ座間

監督ジョナサン・エントウィッスル 
脚本ロブ・ライバー 
出演ジャッキー・チェン 
ラルフ・マッチオ 
ベン・ウォン 
ジョシュア・ジャクソン 
セイディ・スタンリー 
ミンナ・ウェン 
タイトルとURLをコピーしました