映画【再生の朝に -ある裁判官の選択-】感想(ネタバレ)

JUDGE
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●こんなお話

 中国の死刑制度についての裁判官の話。

●感想

 たった車2台窃盗しただけで死刑となる97年あたりの中国の法律の古さ。人名軽視の法律だってのがわかります。

 そんな法律のようにこの映画に出てくる家族たちは、皆、表情も乏しく。淡々と目の前のことをこなしていくだけのマシンのようでした。それは、裁判官の食事シーンを見ればわかります。主人公達でだけでなく、脇役たちも義理人情とは皆無の存在として出てきて。仕事を忠実にこなしますが、それはそれで仕事のできる人間となる代わりに血も涙もない冷徹な人間だという事になります。

 そんな主人公の裁判官ですが、男が窃盗で死刑執行になる寸前。96年97年で法律が変わったことを言い出して、死刑に待ったをかける瞬間。今まで冷徹だった男が不意に見せる優しさ。優しさというか、人間としての行動。を見せてくれて良いシーンだったと思います。そして、最後に食事をする裁判官夫婦。エンドロールでピアノの旋律が流れてきて、いい映画を観た。と思える映画でした。

 それにしても驚くのが、中国の死刑執行風景で。ただっぴろい野原で正座させられ後ろから銃殺されるというものには驚きました。遠くには見物人がいるって状況は日本の時代劇とかで見たことなかったので凄かったです。しかも執行人が号令を言うので、死刑囚は自分が撃たれるタイミングわかるってのが凄いです。

 音楽が一切なく静かな映画ですが。とても心に響く映画でよかったです。

☆☆☆☆

鑑賞日:2011/12/18 DVD

監督リウ・ジエ 
脚本リウ・ジエ 
カオ・シャン 
出演ニー・ターホン 
メイ・ティン 
チー・ダオ 
ソン・エイシェン 
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