映画【ジョーカー】感想(ネタバレ)

joker
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●こんなお話

 「タクシードライバー」で「キング・オブ・コメディ」な話。

●感想

 スローの映像に音楽の数々、ニューヨークやシカゴ風な風景にホアキン・フェニックスの熱演とアクション大作のイメージが強いアメコミ原作映画とは一味違うアメコミ映画で珍しい気持ちで、1人の青年がひたすら可哀そうでどんどんと追い込められていって、民衆のヒーローになるまで興味深く飽きずに見ることができました。あとは単純に映像が綺麗でカッコいいの撮影の素晴らしさを堪能できました。

 ただ、やっていることは「タクシードライバー」や「キング・オブ・コメディ」とほとんど同じでまた「群衆」だったり「時計じかけのオレンジ」だったり「ネットワーク」だったりと過去の名作で見てきた既視感のあるもので新鮮さはなかったです。オマージュというよりまんま「タクシードライバー」や「キング・オブ・コメディ」でクレジットとかしなくていいのだろうか? と心配になりました。70年代の映画が大好きなのは伝わってくる演出、映画でした。

 そしてスピンオフとして後出しの説明にしか見えないところもあり、過去作のジョーカーの不気味さカリスマ性みたいなものは一切なくなり、ジョーカーというキャラクターがどんどんと小さいものに見えてしまいました。主人公が追い込まれていく描写も他の作品とかで見たことあるようなものばかりで、ホアキン・フェニックスの熱演で引っ張られますが、これでジョーカーという男になるんだとちょっと肩透かしな展開が続きました。

 自分の性格がひねくれているせいか「アメコミで史上初のヴェネツィア金獅子賞受賞!」「アカデミー賞最有力!」という情報が入ってきてしまっているせいか、アート映画を狙ってのアート映画に仕上げているかのような空気を感じてしまって冷たい視線になってしまい、前情報なくミニシアターとかでこの作品を見たときに「なんかホアキン・フェニックスの凄い映画見た!」と盛り上がりそうな作品でした。

そして、結果、格差社会がいけないというのが勉強になる映画でした。

☆☆☆

鑑賞日: 2019/10/08 TOHOシネマズ川崎 2020/02/09 DVD

監督トッド・フィリップス 
脚本トッド・フィリップス 
スコット・シルバー 
出演ホアキン・フェニックス 
ロバート・デ・ニーロ 
ザジー・ビーツ 
フランセス・コンロイ 
ブレット・カレン 
マーク・マロン 
シェー・ウィガム 
ビル・キャンプ 
グレン・フレシュラー 
リー・ギル 

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