●こんなお話
ケネディ大統領暗殺の真相に迫ろうとする地方検事の捜査の話。
●感想
何と言ってもこの映画の特徴は大勢の登場人物が登場して証言や回想が膨大な数出てくる映画で、話の展開としてはミステリーの王道を行くもので。ケネディ暗殺の調査機関のウォーレン委員会の報告に疑問を持った主人公が自ら様々な人物たちに話を聞きに行って点から線にしていくという王道の展開。
けれど、下手したら数秒に1回とかで切り替わっていくカットと台詞がシャワーのように流れていくのと役者さんたちの熱演もあわさって、圧巻の3時間25分でした。話が進むほどどんどん引き込まれていく映画でした。
主人公がウォーレン委員会の報告は変だぞ。と思い立って調査を開始するまでが開始40分ほどと遅めの展開ですが、そこに至るまで誰がどう見てもケネディ暗殺事件の周辺で怪しい出来事が散りばめられていて、事件当時現場にいた人たちの証言が再現されていったり、謎の死を遂げていたりと興味深い種が植えつけられていきます。
主人公のチームがいろんなところからいろんな情報をかき集め、これまた台詞で再現や回想で説明していく。それを膨大な短いカットで見せていく。それだけではなく、チームの不協和音があったり。さすがアメリカ人、家族を大事にしないと奥さんや子供たちの問題と家庭問題も描かれつつ。
そして何故、ケネディが暗殺されたのか? という政治的な部分も仮定させつつアメリカの政治ミステリーとしてとても面白いです。1つの仮説の話としても、映画として面白いのでそれが真実っぽく見えちゃうのが不思議です。
そしていよいよ怪しいクレー・ショーを起訴するクライマックス。ここから主人公を演じるケビン・コスナーの独壇場で、30分近い演説。それと同時に1つの仮説を再現していく映像。ウォーレン委員会の報告がいかに無茶苦茶なのかというオズワルドの動きなんかも面白いです。高速で射撃して高速で走って誰にも気づかれないうんぬんや1発の弾丸がとんでもない動きをしている「魔法の弾丸」。
それと主人公の仮説の複数犯説の再現。そして主人公が陪審員に話す。「正義は自然に発生するのではなく人間が作るもの」とここで真実が暴かれないと民主国家として成り立っていかないと訴える。
ジョン・ウィリアムズ御大のテーマ曲もカッコいいし。膨大な登場人物に台詞もたくさん出てくるのに全く混乱せず、更には回想だらけなのにストーリー展開は停滞することなく。むしろ真実を知りたいと思わせる映画で面白い3時間25分でした。
☆☆☆☆☆
鑑賞日:2013/09/17 DVD
監督 | オリヴァー・ストーン |
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脚本 | オリヴァー・ストーン |
ザカリー・スクラー | |
原案 | ジム・ギャリソン |
出演 | ケヴィン・コスナー |
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シシー・スペイセク | |
ジョー・ペシ | |
トミー・リー・ジョーンズ | |
ゲイリー・オールドマン | |
ジャック・レモン | |
ウォルター・マッソー | |
エドワード・アズナー | |
ドナルド・サザーランド | |
ケヴィン・ベーコン |