映画【J・エドガー】感想(ネタバレ)

j-edgar
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●こんなお話

 FBI長官に君臨し続けた男の関わった事件とか恋愛とかの話。

●感想

 晩年のフーバー長官が自伝を執筆するという形で物語が若い時と晩年とが交互に映され、イーストウッド作品らしい白黒みたいな照明とピアノの旋律が美しく、そこにFBI創立から何十年も権力を持った男が主人公が共産主義との戦い、マフィアのパブリックエネミーNo1との戦い、リンドバーグの子供誘拐事件や大統領のプライバシーを盗聴して脅迫していったりが描かれていきます。

 ただ全体としてあまりにも淡々としすぎていて、司法省に入ったばかりの主人公の下りからして正直退屈でした。秘書に恋して、いろいろアプローチをかける姿を見ても何の感情も動かなかったです。その後、出世して自分のやり方で変革をし始めるところからやっと物語が動き出してきた印象です。自分の大事な人になるとして若い男性と面接したり、ひたすらFBIという組織を守るためになりふり構わない主人公の様子が描かれていきます。


 実際にあった事件で、科学捜査を取り入れたり法律を変えたりしまいには大統領なんかのスキャンダルまでも調べ上げて脅迫したりと何でもありの男になっていきました。もっと実際の大統領とかをバンバン出して、対決を観てみたかった気もしました。

 そして自伝として武勇伝として語っていったけど、晩年の愛する人から「お前は現場にいなかった」と言われて、嘘だったと判明して哀れな人間となっていきます。キング牧師をノーベル賞辞退させようとしたりニクソン大統領就任と自分の思い通りに行かない人物たちが台頭してきて。だんだんと哀れになってくる主人公。このあたりから、現在と回想の境目がなくなっていったと思います。回想と現在のリズムがよかったのに、晩年のほうが長くて退屈に思えてしまった映画でした。

☆☆

鑑賞日:2012/06/26 Blu-ray 2022/03/02 Amazonプライム・ビデオ

監督クリント・イーストウッド 
脚本ダスティン・ランス・ブラック 
出演レオナルド・ディカプリオ 
ナオミ・ワッツ 
アーミー・ハマー 
ジョシュ・ルーカス 
ジュディ・デンチ 
エド・ウェストウィック 
リー・トンプソン 
ジェフリー・ドノヴァン 
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