映画【ハルク】感想(ネタバレ):父子の因縁とハルク誕生の物語

hulk
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●こんなお話

 怒らせると緑色の巨人になって大暴れする話。

詳細ネタバレあらすじ

 1960年代、遺伝子研究者のデヴィッド・バナーは、兵士の身体を放射線に耐えられるようにするため、人間の遺伝子を改変する研究を進めていた。人体実験を禁止されていたため、デヴィッドは自分自身を実験台にして研究を続ける。妻エディスが妊娠すると、生まれてくる子供にも自分の遺伝的変化が受け継がれている可能性を調べる。

 息子ブルースが生まれると、デヴィッドはブルースにも自分と同じ遺伝的変化があることを確認する。デヴィッドはブルースを元に戻す方法を探すが、無許可で人体実験を続けていたことが発覚し、ロス将軍は研究を停止させ、施設を閉鎖する。

 デヴィッドは研究施設のガンマ線装置を作動させ、大規模な爆発を起こす。その後、ブルースのもとへ向かい、自分の遺伝子を受け継いだブルースを殺そうとする。しかし、エディスが二人の間に入り、デヴィッドが持っていた刃物によって死亡する。

 デヴィッドは逮捕され、精神病院へ送られる。幼いブルースは里親のもとへ送られ、出生時の出来事を含む幼少期の記憶を失っていく。ブルースは自分の実の両親について詳しく知らないまま成長する。

 成長したブルースは、カリフォルニア大学バークレー校の研究施設で科学者として働いている。ブルースはベティ・ロスと細胞再生に関する研究を進めており、ベティはロス将軍の娘でもある。研究では、損傷した細胞を修復するナノメッドが使用されている。

 軍事利用を目的として研究に関心を持つグレン・タルボットは、ブルースたちに研究成果の提供を求める。研究施設で実験中にトラブルが発生し、研究員ハーパーが危険な状態になる。ブルースはハーパーを助けるため装置の中へ入り、大量のガンマ線を浴びる。同時にナノメッドもブルースの身体へ入り込む。

 通常なら致命的になる量の放射線を浴びたブルースだったが、生存する。病院で目を覚ましたブルースは、ベティから大量のガンマ線を浴びたことを知らされる。

 その後、研究施設に清掃員として入り込んでいたデヴィッドがブルースの前に現れる。デヴィッドは自分がブルースの父親であることを明かし、ブルースが自分と同じ遺伝的変化を受け継いでいることを伝える。デヴィッドはブルースの髪を採取し、そのDNAを使って実験を始める。

 デヴィッドはブルースのDNAを動物に使用し、複数の犬を巨大化させる。

 一方、ブルースは研究事故の後、自分の身体に起きた変化を調べる。周囲で起きる出来事によって怒りが高まったブルースは、身体が巨大化して緑色の巨人へ変身する。ハルクとなったブルースは研究施設を破壊し、その後ブルースの姿に戻って自宅で倒れているところをベティに発見される。

 ロス将軍はブルースを監視下に置く。ベティはデヴィッドを探し出して接触する。デヴィッドはベティと話した後、ブルースへ電話をかけ、巨大化させた犬をベティのもとへ向かわせたことを伝える。

 ブルースはベティが危険にさらされていることを知り、ハルクへ変身する。タルボットや軍の兵士たちと対峙した後、ハルクはベティのいる森の小屋へ向かう。デヴィッドが送り込んだ巨大な犬がベティを襲うと、ハルクは犬と戦い、犬を倒す。ベティがハルクに近づくと、ハルクはブルースの姿へ戻る。

 翌朝、ベティはロス将軍へ連絡する。軍はブルースを拘束し、砂漠にある軍事施設へ移送する。ベティはブルースの治療を求めるが、ロス将軍はデヴィッドと同じ遺伝的変化を持つブルースを危険視する。

 そのころデヴィッドは、ブルースの研究していたナノメッドとガンマ線を自分の身体に取り込む。デヴィッドの身体は触れた物質の性質を取り込み、融合できる状態へ変化する。

 軍事施設ではタルボットがブルースの身体を利用しようとする。ブルースを刺激してハルクへ変身させようとするが、通常の方法では変身しない。そこでタルボットはブルースを隔離装置に入れ、幼少期の記憶を刺激する。

 ブルースは封じられていた記憶を思い出し、ハルクへ変身する。タルボットはハルクを特殊な泡状の物質で拘束し、身体からサンプルを採取しようとする。ハルクは拘束を破って脱出する。

 タルボットがハルクへ向けて特殊な弾を発射すると、弾はハルクに当たって跳ね返り、爆発でタルボットは死亡する。ハルクは軍事施設から脱出。

 軍は戦車やヘリコプターを使ってハルクを追跡する。ハルクは砂漠を移動しながら軍の攻撃を受けるが、巨大な跳躍によって長距離を移動し、追跡をかわす。

 ハルクはベティのもとへ向かう。ベティはロス将軍に自分をハルクのもとへ連れていくよう求める。ベティがハルクの前に現れると、ハルクは攻撃を止め、ブルースの姿へ戻る。

 ブルースは軍に拘束され、ロス将軍の管理下へ戻される。一方、デヴィッドはベティの前に現れ、自分を引き渡す代わりにブルースと会わせるよう要求する。ロス将軍は条件を受け入れ、デヴィッドとブルースが対面する。

 デヴィッドはブルースにハルクの力を自分へ渡すよう求める。しかしブルースは拒否する。デヴィッドは近くにあった高圧電線を口にくわえて電気を身体へ取り込み、さらに巨大な存在へ変化する。

 ブルースはハルクへ変身し、デヴィッドと戦う。二人の戦いは軍事施設から屋外へ移動し、やがて湖へ到達する。デヴィッドはハルクの身体から力を吸収しようとする。

 ブルースはデヴィッドに力を吸収させる。デヴィッドの身体は吸収した力によって巨大化していく。ロス将軍はガンマ爆弾の使用を命じる。爆発によってデヴィッドは消滅する。

 湖の中にいたブルースは爆発を生き延びる。軍からは死亡したものと判断されるが、ブルースは湖から姿を現す。

 1年後、ベティは研究施設で働いている。ロス将軍から電話が入り、ハルクとみられる存在が各地で目撃されていることを知らされる。

 南米のジャングルでは、ブルースが医師として暮らしている。医療キャンプに武装した男たちが入り、医療品を奪おうとする。ブルースは男たちに立ち去るよう警告するが、男たちは従わない。ブルースの目が緑色に変化し、ハルクの咆哮が響くところでおしまい。

●感想

 ハルクが登場するまでにかなり時間を使っているのが印象でした。少年時代のブルースと父デヴィッドの出来事が描かれ、その後に現在の研究生活が描かれ、実験事故によってようやくハルクが登場します。ハルクが暴れ始めるまでの時間が長いため、巨大化したハルクの姿を期待して観ると、少し待たされる構成だと感じました。

 さらに、アメコミのコマ割りを思わせる画面分割を多用した編集も特徴的です。複数の画面を組み合わせて人物や出来事を見せる場面が多く、通常の映画とは違った見せ方になっています。ただ、個人的にはこの編集がかなりトリッキーに感じられ、物語を追いながら映像を見るのに少し疲れてしまいました。

 ハルクが登場してからは、軍との戦闘が増えていきます。戦車やヘリコプターを相手にハルクが巨大な跳躍を繰り返し、砂漠を移動していく場面など、ハルクの身体能力を使ったアクションは迫力があります。

 ただ、そこまでの時間を使って描いてきた父デヴィッドとの関係が中心にあるため、ハルクが軍を相手に大暴れする場面だけを純粋に楽しむというより、ブルースの出生や父親との因縁を追いながら見る構成になっています。

 そして、ブルースとデヴィッドの関係もかなり長く描かれます。デヴィッドがブルースの身体を利用しようとし、最終的には自らも巨大な存在へ変化して、ハルクと直接戦うことになります。

 個人的には、ブルースが怒るたびにハルクへ変身し、暴れた後にベティのもとへ行くという流れが何度か繰り返されるため、同じ展開が続いているようにも感じました。怒る、ハルクになる、暴れる、ベティの前でブルースに戻る、そしてまた状況が変わってハルクになるという構成です。

 父親との関係をかなり時間をかけて描いているだけに、最後のデヴィッドとの対決が終わった後にブルースと父親の関係がどう決着したのかという部分も、もう少し描いてほしかったです。

 とはいえ、ハルクが軍を相手に戦う場面はしっかり迫力があります。戦車を吹き飛ばしたり、ヘリコプターを相手にしたり、長距離を一気に跳躍したりと、巨大化したハルクの力を楽しむ場面は多く用意されている1作だと思いました。

物語そのものよりも、巨大化して暴れ回るハルクの姿を楽しむ作品として観ると、独特の魅力があります。個人的には、ハルクが登場するまでの長さと分割画面を多用した編集には少し疲れましたが、ハルクの暴れっぷりはしっかり楽しめました。

☆☆

鑑賞日: 2015/03/17 Blu-ray 2026/09/16 U-NEXT

監督アン・リー 
脚本マイケル・フランス 
ジョン・ターマン 
原作スタン・リー 
ジャック・カービー 
出演エリック・バナ 
ジェニファー・コネリー 
サム・エリオット 
ジョシュ・ルーカス 
ニック・ノルティ 
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