映画【杏林医院】感想(ネタバレ):廃病院を舞台にした密室ホラー!霊媒師と依頼人が織りなすスリリングな物語

Hospital
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●こんなお話

 廃墟となった病院で死んだ人に会いたいと霊媒師とともに愛する人の幽霊に会おうとする話。

●感想

 廃病院で取材をしているメディアがいて、カメラマンが何かを見て驚き、慌てて逃げ出すところから物語が始まる。病院の中には霊媒師の父と息子、それに女性が2人いる。女性たちはこの病院で亡くなった愛する人に会いたいと願っているらしい。

 1人の女性は亡くなった旦那さんに会いたいと話し、もう1人は姉に会いたいという。霊媒師の父親がいろいろと仕切り、「やってはいけないこと」や「ついていってはいけない」と忠告するが、女性たちはそれを破ってしまう。合間に回想シーンが挟まれ、病院での生前の姿が描かれていく。

 夫が手術に向かう様子を訴える女性に対し、もう1人の女性は怒りを爆発させる。亡くなった姉は病院の看護師で、病院の不祥事が原因で多くの人に攻撃され、精神を病んで自殺してしまった。姉の妹は姉の幻影を見て後を追い、姉の幽霊に誘われるように飛び降りてしまう。

 その後、悪霊のような存在が襲ってきて、霊媒師の父が悪霊に乗っ取られて行方不明になる。息子と女性たちは救出のため病院内を探し回る。回想で少年が亡くなった過去も描かれ、その母親が憔悴しきって少年の遺体とともに焼身自殺したことが明らかになる。その母親が悪霊化して襲ってくるらしい。少年は心臓移植の手術を予定しており、悪霊はその心臓を奪おうとする。

 霊媒師の息子は祖父か曾祖父の遺体から取った水で悪霊を退治しようと奮闘し、見事撃退する。父親はガンで余命が短く、悪霊に乗っ取りやすい体になっていたことがわかり、最期を迎える。

 物語は冒頭のマスコミに戻り、カメラマンが病院に入るシーンに繋がる。霊媒師の息子は助けを求めるが体がすり抜けてしまう。病院には霊媒師の親子と依頼人の女性2人が幽霊のように立っているという結末。

 舞台はほぼ病院内で、登場人物はわずか4人。90分と短い尺ながら、設定は興味深いです。しかし物語の半分を過ぎても何をやっているのかわかりにくく、入り込みにくい話の進め方でした。

 黒髪の長い幽霊や子どもの人形が不気味に襲ってくるシーンは見どころですが、回想の悲しい出来事が登場人物の掘り下げにならず、単なる冗長な場面に見えました。現在の廃病院での出来事との繋がりも薄く感じます。霊媒師の父親は役に立たず、しっかりアテンドしてほしいと思うほど。依頼人の女性たちも忠告を聞いてほしいところです。全体的に面白さを感じづらい作品でした。

鑑賞日:2022/10/26 NETFLIX

監督チュウ・ジャーリン
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