映画【とある飛空士への追憶】感想(ネタバレ)

●こんなお話

　飛空士と王妃の逃避行の話。

●感想

　序盤、主人公の飛空士は「ドブネズミ!」とほぼ全員から罵られ。差別社会の底辺に生きる人物と紹介されます。飛空士としての腕は天才的と、お姫様を極秘で運ぶ任務を任されますが。極秘任務のはずが、任された次のシーンで酒場でみんなでどんちゃん騒ぎをしていて。「お姫様を守る任務なんてすげえな!」「俺たちが囮になるからよ」と、もう機密が漏れてしまっています。軍人としての責任が主人公になくてガッカリしました。囮作戦を行う仲間たちが知っているのは、まだ許せるとして。酒場で大声で任務の話をしては失格だと思いました。

　そして、お姫様との2人旅が始まりますが。メインとなるこの旅が、退屈でした。お姫様は、この飛空士にたいして最初、どういう気持ちなのかがわからないのが痛いです。周りの人物たちは「ドブネズミ」と罵ってるのをみて、心痛めてるのか。最初は差別している気持ちなのか。そして、旅を通じて気持ちが通じ合っていくというものなら楽しめましたが。お姫様は、最初から最後まで育ちの良いお姫様にしか見えなかったです。

　わからない部分は多くて、主人公は敵機に撃たれて意識朦朧の重症を負います。その後、島に隠れてお姫様の傷の手当がありますが。一晩経つと、もう元通りになっているという。主人公の傷が浅かったのか、姫様の手当てが素晴らしいものだったのか……。

　そして、何故かお姫様は髪の毛を切るという。女性が髪の毛を切るというのは、相当な気合だと思いますが。あっさりとスルーされるので、何で切る演出になったのかわかりませんでした。旅への決意だと思いますが、もう少しいじってあげてもよかったと思います。しかも、何故かそのときの格好がちょいエロいという。
　主人公は、あの格好を見て何も思わないのか。

　「身分違いの恋」とかを描くのなら面白くなりそうですが、飛空士がお姫様を届けました。ってだけの100分でちょっと退屈でした。

☆☆

鑑賞日:2011/10/01　テアトル新宿