●こんなお話
友人と喧嘩して切腹ものの事件を起こした主人公が、藩主の側室と不義密通の罪で謹慎している男を監視の役割を与えられて、その侍と共に生活していくうちに藩内の権力闘争なんかが出てくる話。
●感想
不義の罪を着せられた侍が、10年の期間で藩の歴史を編纂するよう命じられるが、それを監視するようにと命じられた主人公。
侍の息子が百姓の息子と仲良かったけど拷問の末殺されてリベンジしようとしたり、百姓たちが年貢の取り立てに不満で一揆をおこそうと計画するけど侍がなだめたり、郡奉行を殺害しちゃったり。
尼寺にいる大殿の側室から過去何があったのかが語られたりして手紙を受け取ってそれを渡す渡さないがあったり。
日本人の男性や女性の所作や四季の美しさを堪能できる映画でした。川のせせらぎや鳥のさえずりや夏の照り付ける日差しに一面の雪景色。その中で生活する人々を見てるだけで惹きつけられるのが不思議な気持ちになりました。
話は岡田准一さんの主人公が監視役として役所広司さんの家にやってきて寝食を共にする。役所さんは藩の歴史を書き綴っていて、それが完成するまで切腹の猶予が10年与えられている。主人公は役所さんが側室と不義密通をする男ではないのではないか? などを探りつつ。百姓が一揆を画策しているのではないかとお役人と揉めてて、それの間に入ったり。
けどこの映画、ほとんど正座に対面で「これこれこうなって」「○○の息子と○○は」と全部セリフで説明して、しかもカメラもフィックスなので相当集中してみないと人間関係がわからなくなるし動きはないしで、ちょっと退屈を感じます。殺陣もいくつかありますが、物語のクライマックスに設定されているのではなく。回想で殺陣があったり柔術があったりして物語の動きで盛り上がっていくものでなかったので残念でした。
架空の人間たちの藩での権力争いというか跡目争いみたいなのが実はこうでした、みたいなのも別にサスペンス性も何もなくそうだろうなというところで終わるという。そして主人公たちはイメージ通りの清廉潔白さで女性陣もやまとなでしこっぷりで何の人間的な面白さみたいなのも感じられなかったです。
ちょっと淡々と静かに描かれいって盛り上がりに欠けると思いましたが、日本人に生まれてよかったと思う映画でした。
☆☆
鑑賞日: 2014/08/09 試写会 2023/10/28 NETFLIX
監督 | 小泉堯史 |
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脚本 | 小泉堯史 |
古田求 | |
原作 | 葉室麟 |
出演 | 役所広司 |
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岡田准一 | |
堀北真希 | |
原田美枝子 | |
青木崇高 | |
寺島しのぶ | |
三船史郎 | |
井川比佐志 |
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