●こんなお話
アベンジャーズのホークアイに憧れて武術の達人の主人公がホークアイと一緒に殺人事件を捜査していく話。
●感想
物語は、幼い主人公が映画『アベンジャーズ』のクライマックスの戦いを目撃し、ホークアイの活躍を目の当たりにするところから始まります。子どもながらに彼の姿に憧れを抱いた主人公は、成長して武術を学び、日々鍛錬を続ける。母親は警備会社を経営しており、髭の恋人と付き合っているが、主人公はその男性をあまり快く思っていない様子が描かれる。
ある日、母と共に出席したパーティーの最中、主人公は好奇心から地下で開かれていた闇オークションへと忍び込む。だがそこへジャージ姿の集団が乱入し、混乱の中で母の知り合いが命を落とす事件が起こる。主人公は偶然手に入れたローニンの衣装をまとい、襲いかかる男たちを撃退するが、その姿を撮影された映像がニュースで報じられてしまう。かつてローニンとして暗躍していたホークアイは映像を見て動揺し、衣装を回収すべく行動を始める。
物語は、怪しげな母の恋人を探る主人公と、ローニンの痕跡を消そうと奔走するホークアイが交差しながら進んでいく。さらにホークアイの命を狙う人物や、ジャージマフィアと呼ばれる集団、その背後に潜む黒幕が絡み合い、ドラマは複雑に広がっていく。全体としてはバディものの軽快な掛け合いやユーモラスな描写が多く、シリアスさとコメディのバランスが取られた構成で、1話ごとに激しいアクションが織り込まれており、全6話を飽きずに楽しめる作りとなっている。
ただし6話という短さゆえに物語の収束は駆け足で、主人公を狙っていた黒幕が最終話で登場したかと思えば、そのまますぐに対決して決着がつくという展開で、もっと深める余地があったのではと感じました。しかもその黒幕は別のドラマシリーズでは圧倒的な存在感を誇る人物だっただけに、今回の扱いはあまりにあっさりとしていて寂しい気持ちを抱きました。また冒頭の殺人事件についても、最終的には警察が現れて「逮捕します」と一言で解決する形で片づけられてしまい、拍子抜けした部分もありました。
加えて、ホークアイの妻が電話越しに情報を自在に提供し、まるで凄腕ハッカーのように描かれていたのは驚きでした。原作やこれまでの作品で見られなかった一面であり、解釈の幅を広げる工夫とも言えますが、個人的には少し唐突に感じられました。
それでも、ホークアイが自ら矢を手作りして戦う場面や、工夫に富んだアクションシーンの数々は非常に魅力的でした。戦いの中にユーモアがあり、映像としても見やすく、エンターテインメントとしてしっかり楽しませてくれる作品だったと感じます。
☆☆☆
鑑賞日:2022/02/08 Disney+
監督 | リス・トーマス |
---|---|
バート&バーティ | |
製作総指揮 | ケヴィン・ファイギ |
出演 | ジェレミー・レナー |
---|---|
ヘイリー・スタインフェルド | |
フローレンス・ピュー | |
ベラ・ファーミガ | |
フラ・フィー | |
トニー・ダルトン | |
ザーン・マクラーノン | |
ブライアン・ダーシー・ジェームズ | |
アラクア・コック |