●こんなお話
テレビシリーズから続く壮大な親子喧嘩の話。
●感想
テレビシリーズから続いてその後の劇場版、さらに新劇場版と何十年にもわたってこのシリーズが愛されてそれが完結するという熱量。さらに155分という長さに今までの展開がすべててんこ盛りの内容になっていてニコニコしながらみられる1本でした。当然、この1本だけの文脈では語れない内容となっています。
前半はミサトさんたちのおかげで一部地域が守られて村が形成されていて、そこでの生活。記憶喪失となっていたロボットとなっていた綾波レイがしだいに「嬉しい」「悲しい」などの感情を覚えて人間的になっていくからのどーん! というのとか熱くなるものがありました。テレビシリーズからのファンとかは余計に感動できる構成だったと思います。主人公のシンジくんも相変わらずうじうじ悩んでるのとかも「水戸黄門」の印籠、「遠山の金さん」の桜吹雪的なマンネリズム的安定の面白さでした。逆に言えば、当然このシリーズに思い入れがないと村での平和な日々や主人公のうじうじなどはどこに物語が向かっていってるのかわからずただ鈍重に感じてしまう展開だと思います。
中盤から主人公の仲間たちVSお父さんチームの戦いになり、決戦への準備、いざ出陣! という流れとかも盛り上がってよかったです。まっかっかの背景の中をこれまた案の作品特有の膨大な台詞量で海軍の艦隊決戦的な見せ場があり、エヴァンゲリオンの戦闘があり、どんどん精神世界の会話へと流れていく。今自分はエヴァンゲリオンを見ている感いっぱいで終始ニコニコできました。終始赤い背景などでピカピカしたところで戦っていたところで、エヴァンゲリオンがビルを壊しながら戦う「ウルトラマン」的な市街戦になるところは上がりました。
ただそこまでお思い入れがないと大量のモノローグでのほとんどのキャラクターの1人1人のお別れがあってというのとか長く感じますし、ドッカンドッカン激しくて目がチカチカして頭痛くなっていきました。一体どんだけインパクトの回数あるんだとか結局ヤリがどう、使徒がどうと終始何喋ってんだとかだんだんどうでもよくなっていってしまうところもありますが、そういうのを含めてのエヴァンゲリオンの魅力なのかなと感じました。
とはいえ、ファンが見たいものをてんこ盛りにしたサービス精神いっぱいの作品で作り手の皆さんたちの思いをしっかりと受け止められる好感度高いシリーズ完結編でした。
☆☆☆
鑑賞日:2021/03/10 シネマサンシャイン平和島
総監督 | 庵野秀明 |
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監督 | 鶴巻和哉 |
中山勝一 | |
特技監督 | 山田豊徳 |
脚本 | 庵野秀明 |
原作 | 庵野秀明 |