映画【どですかでん】感想(ネタバレ)

●こんなお話

　スラム街に住む人たちの話。

●感想

　大声でお題目を唱える母親をもって電車の運転士として頑張る少年の朝から始まり、スラム街に住む人たちの様子が描かれていく話で、本当にゴミだらけ爆撃を受けたあとの生活や描写が素晴らしく、ペンキの原色をぶちまけたかのような映像が見ているだけで華やかな気持ちになれました。

　電車の運転士をする少年、子だくさんの家庭があってお母さんはとっかえひっかえ男をかえて父親が違うのではないかと疑われている。けど父親は子どもたちを全員愛している。スーツを着てサラリーマンとして働いている男性がいて強気な奥さんと生活していて同僚を招いて気まずい他人の家庭描写だったり。飲んだくれで働く命じるだけのおじさんがいて、その姪っ子が代わりに働いてネグレクト的な描写。廃車に住む親子がいて父親と一緒に日本と海外の持ち家事情や豪邸に住む夢を語らって、息子はご飯を集めて父親の話を聞いてあげたり。たんば老人は家に入った泥棒に自分のお金を渡したり、自殺願望がある男性を励ましたり、刀で暴れる酔っ払いを説得したり。一人暮らしの青白い男性のもとに女性が訪ねてきて何とか許してもらおうという描写があったり。井戸端会議でおばさんたちが話をして彼らの様子が理解できる作りになっています。

　カラフルで視覚的に楽しいし、顔面が青くて暗かったりでめちゃ怖い気持ちになったりしますが。群像劇で登場人物が多くて紹介だけで何分かかっているのだろう?　という感じですし、それぞれのキャラクターに興味のとっかかりがないと各々のエピソードに何の興味も持てず退屈で140分という長さを退屈に感じてしまう映画であると思いました。

☆☆☆

鑑賞日:2010/01/23　DVD　2022/08/28　U-NEXT