●こんなお話
ビルを占拠したテロリストと巻き込まれたマクレーン刑事の話。
●感想
ニューヨーク市警の刑事である主人公が、別居中の妻に会うためロサンゼルスへやってくる。妻は日系企業に勤めていて、その高層ビルではパーティーが開催中。主人公はそこで妻や同僚たちと再会するが、ふと1人になったとき、突然テロリストたちがビルを占拠。間一髪のところで逃れ、ビル内での孤独な戦いが始まる。
主人公は外部に異変を知らせようと、消防や警察に連絡を試みる。やがてテロリスト側に存在がバレてしまい、襲撃を受けるが、1人を倒してマシンガンを手に入れる。主人公が孤軍奮闘する中、たまたま現場にやってきた制服警官のアルが重要な役割を果たす。最初は異常なしと判断されるが、主人公がパトカーの上にテロリストの死体を投げ落として警官に異常を知らせ、ついに警官隊が出動。しかし突入はうまくいかず、多くの警官がやられてしまう。
状況を打開するため、主人公はビルを爆破したりしながら警官隊を支援。途中、テロリストのリーダーと偶然遭遇し、相手は社員のふりをするが、すぐに見破って銃撃戦に発展。主人公ははだしで逃げ回ることになり、テロリストにガラスをばらまかれて足を負傷するという苦境に立たされる。
FBIがビルの電源を強制的に切ったことで、テロリストが開けられなかった金庫の電磁ロックが解除され、目的だった大金が彼らの手に渡る。さらに、ビルの屋上には爆弾が仕掛けられており、人質を避難させようとした主人公は、逆にFBIのヘリから攻撃を受けてしまう。とっさにホースを体に巻き付けて屋上から飛び降り、爆破をかわすという命がけのアクションを披露。
終盤、弾丸もほとんど残っていない中で主人公はテロリストのボスと対峙し、最後の銃撃戦に。冷静に駆け引きを重ねながら見事に射殺し、ビルからボスの体を突き落として物語はおしまい。
物語の冒頭では、妻が旧姓で働いていることに不満を抱いて夫婦喧嘩するなど、人間関係の機微も丁寧に描かれていて、開始から17分でテロリストによるビル占拠に突入するテンポの良さも抜群。主人公とテロリストの駆け引きだけでなく、リムジン運転手の軽妙さや、警官アルとの友情も印象的。特に、アルが過去のトラウマを乗り越えて最後に自ら銃を取るエピソードは感動的でした。
主人公が圧倒的に不利な状況下で、ボヤきながらも冷静にマガジンの残弾を確認したり、腕に敵の人数をメモして行動する様子にはリアリティがあって、観る側もつい息を呑んでしまいます。テロリスト側がインテリ系で冷徹なのに対し、主人公が肉体派で情熱的というコントラストも作品に深みを与えていたと思います。
何度観ても色褪せない、完成度の高いアクション映画の金字塔だと思いました。
☆☆☆☆☆
鑑賞日:2011/12/28 Blu-ray 2024/05/04 Disney+
監督 | ジョン・マクティアナン |
---|---|
脚本 | ジェブ・スチュアート |
スティーヴン・E・デ・スーザ | |
原作 | ロデリック・ソープ |
出演 | ブルース・ウィリス |
---|---|
ボニー・ベデリア | |
ポール・グリーソン | |
ウィリアム・アザートン | |
ハート・ボックナー | |
ジェームズ・シゲタ | |
アラン・リックマン | |
アレクサンダー・ゴドノフ |