●こんなお話
デッドプールの世界が壊れちゃうってんでウルヴァリンの協力を得て世界を救おうとする話。
●感想
冒頭では、デッドプールがウルヴァリンの死体を探している最中に、タイムパトロールと呼ばれる組織のメンバーが突然現れ、戦闘に突入。
物語は時間を巻き戻し、デッドプールがアベンジャーズの面接を受けたり、ヒーローを辞めてセールスマンとして静かに暮らしている姿が描かれます。しかし再びタイムパトロールが現れ、彼は強制的に連行されてしまいます。そこでタイムパトロールの上層部から、ウルヴァリンが「世界のキーパー」として重要な存在であり、その死によって世界がいずれ崩壊することを告げられます。
デッドプールは様々な並行世界を巡り、ウルヴァリンを探し出そうと試みますが、どの世界でも上手くいかず。最終的には、酒浸りとなっている世界のウルヴァリンを無理やり連れて戻りますが、その直後、彼らはタイムパトロールにより“虚無の世界”へと送り込まれてしまいます。
虚無の世界では、「カサンドラ」と呼ばれる強大な存在が支配しており、かつてのヒーローたちが次々と敗れ去っているとのこと。デッドプールとウルヴァリンもカサンドラの前に引き渡されますが、何とか脱出に成功。後に、忘れ去られたヒーローたちが集結し、「脱出できた者なら倒せるはず」という独自の理論で、反撃に。
カサンドラの力はヘルメットをかぶせることで封じることができると判明しますが、彼女を殺してしまうと元の世界が救われないことが明らかになり、ウルヴァリンの判断で彼女を解放。カサンドラは世界を元に戻すことに協力する。
しかし、平和が戻ったかに見えた瞬間、カサンドラがタイムパトロールの本拠地に現れ、世界を滅ぼすための装置を起動しようとします。これを阻止すべく、無数の異なる世界のデッドプールたちが入り乱れて戦闘に突入。最終的に主人公たちは自己犠牲によって世界を救おうとしますが、実は彼らは生存しており、世界も無事に保たれておしまい。
デッドプールらしい自由奔放でメタ的なギャグ、そしてド派手なアクションが随所にあり、非常に見応えのある作品でした。一方で、映画やヒーロー文化をネタにしたシーンが多く、他作品に関する知識がないと楽しみにくい場面が多々ありました。また、ギャグがあまり笑いに繋がらず、テンポが緩慢に感じられる部分もあり、鑑賞中の体感時間が長く感じられました。
さらに、物語の前提として“世界は特定の人物の存在によって成り立っている”という設定や、複雑なマルチバースの仕組みなどが冒頭から展開されるため、シリーズを未見の方にとっては敷居の高い内容となっていた印象です。
作品単体として楽しむにはやや情報が多すぎる構成でしたが、シリーズファンにとってはサービス精神に満ちた一作だったと思います。キャラクターの再登場やクロスオーバー要素、そしてヒーロー映画のメタ的な視点を楽しめる方には見逃せない内容となっておりました。
☆☆☆
鑑賞日:2024/07/28 イオンシネマ座間
監督 | ショーン・レヴィ |
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脚本 | ライアン・レイノルズ |
レット・リース | |
ポール・ワーニック | |
ゼブ・ウェルズ | |
ショーン・レヴィ |
出演 | ライアン・レイノルズ |
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ヒュー・ジャックマン | |
エマ・コリン | |
モリーナ・バッカリン | |
ロブ・ディレイニー | |
レスリー・アガムズ | |
カラン・ソーニ | |
マシュー・マクファディン |