映画【D-TOX】感想(ネタバレ):密室×殺人×疑心暗鬼!設定は抜群でも描写不足が惜しいミステリー作品

d-tox
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●こんなお話

 連続殺人鬼に恋人や同僚を殺されてアル中のFBI捜査官のスタローンが療養施設で再び殺人鬼が襲ってくる話。

●感想

 雪と氷に閉ざされた極限環境で、一人また一人と命を落としていき、登場人物たちが疑心暗鬼に陥っていく──そんな設定だけ聞けば面白さがある程度保証されているようなジャンルの映画なのに、実際に観てみると何とも微妙な仕上がりでした。

 まず冒頭での登場人物たちの紹介がとても雑で、名前も性格もよくわからないまま、ひととおり顔を見せただけでスッと流れていってしまいます。なのに物語の前半、つまり映画の半分くらいはその何気ない日常や施設内の様子だけで時間が過ぎていってしまいました。テンポは遅く、誰が誰なのかも曖昧なまま進むので、誰かが殺されたとしても「あれ、今やられたの誰?」というような、感情移入しようがない展開ばかり。

 一応は疑心暗鬼をテーマに「誰も信用できない」状態になる定番の流れもあるにはありますが、それでも真犯人が明らかになった時に「そうだったのか!」という衝撃はほとんどなく、むしろ「なんでこの人?」と首をひねってしまうくらい、動機も背景も説明不足。真相がわかっても納得も驚きもないので、最後まで冷めた目で観てしまいました。

 登場人物たちをもう少し丁寧に描き分けてから、そこに殺人事件が起きていって、誰が犯人なのか探っていくという構成だったら、もっと興味を引かれたと思います。また、この設定にハリウッドらしい迫力あるアクションが絡んでくればさらに魅力的になったはずと感じたり。

 主演がスタローンなのにアクションシーンが極端に少ないのもがっかりポイントで、せっかくの素材とキャストを活かしきれていないのが残念な1本でした。

☆☆

鑑賞日: 2017/05/19 Blu-ray

監督ジム・ギレスピー 
脚色ロン・エル・ブリンカーホフ 
原作ハワード・スウィンドル 
出演シルベスター・スタローン 
チヤールズ・S・ダットン 
ポリー・ウォーカー 
クリス・クリストファーソン 
クリストファー・フルフォード 
ジェフリー・ライト 
トム・ベレンジャー 
ロバート・パトリック 

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