映画【わが母の記】感想(ネタバレ)

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●こんなお話

 小説家とその母親や家族の話。

●感想

 昭和の家族といった様子で、1つの家族というコミュニティではなく1つの一族という集団がすごいです。ことあるごとにみんなで集まるというのは、考えられないので別の文化を見ているようで興味深かったです。

 主人公の作家さんは、まさに亭主関白といった男ですが。それでも母親そして娘達を見守る人格者として描かれてました。そして昔、自分は母親に捨てられたと思っていてそれをいまだに心に持っているけど母を愛している。
 もう家族の顔すらわからないくらいボケていってしまう母親ですが、それでも主人公が母の本当の気持ちを知るシーンで、子どものときにしていたある物を覚えているシーンは主人公と感情がシンクロして泣きそうになりました。

 樹木希林さん演じるおばあちゃんは、希林さん自身のキャラクターか行動が笑えるものでした。ただ、認知症の人の行動を笑ってしまうのはどうかとも思ってしまいます。
 父と母の物語である一方、宮崎あおいさん演じる娘さん目線の物語でもあり、父と娘の物語でもありました。
 父や家族が祖母に接する様子を理解できない娘、祖母を別荘で引き取ることになるあたりから物語も転がり始めますが。ここで怒りをぶつけてしまう孫娘、それを優しく見守る父

 軽快な台詞で転がっていくのも見ていて気持ちがよく、日本の家族の良い部分を見せてくれてよかったです。母に対する全ての気持ちが理解できたときの海岸で母をおんぶするシーンは素晴らしいものでした。

 とはいえ、その背景にあるのは売れっ子小説家の経済力もかなりあると思います。たくさん使用人がいて、別荘まであってと羨ましい生活でした。

☆☆☆☆

鑑賞日:2012/04/29 イオンシネマ多摩センター

監督原田眞人 
脚本原田眞人 
原作井上靖
出演役所広司 
樹木希林 
宮崎あおい 
三國連太郎 
南果歩 
キムラ緑子 
ミムラ 
菊池亜希子 
三浦貴大 
真野恵里菜 
赤間麻里子 
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