映画【血と砂】感想(ネタバレ)

chi-to-suna
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●こんなお話

 少年軍楽隊が前哨基地を守るための戦いの話。

●感想

 冒頭で「聖者の行進」を演奏している軍楽隊。ここのツカミからリズミカルな岡本喜八映画の真骨頂で楽しいです。

 その少年軍楽隊を指揮する三船敏郎さんと従軍慰安婦のお春さんが加わって大隊のもとへ行きます。そこで銃殺刑が行われていて、そこに三船敏郎がやってきて止めようとしますがもう刑が執行されてしまっている。敵前逃亡で死刑になったこと、慈悲のため1発で仕留めたと佐藤允さんがいる。ヤキバなる陣地の守備部隊が全滅して、1人だけ逃げてきた兵隊を銃殺刑にしたと話す隊長の仲代達矢さんをぶん殴り軍紀違反で営倉入りの三船敏郎さん。ヤキバの奪還のために三船敏郎さんや7年兵の佐藤允さん、伊藤雄之助さんのベテラン兵と少年軍楽隊で進軍する。

 彼ら全く実戦経験がない少年たちを率いて戦うことになる。楽器で兵隊を呼んで砦を守備する八路軍を撃退する。テキパキ指示して激戦が繰り広げられます。野球が得意な兵隊を率いて、「レフト! 次センター!」と投げる位置を指示したり、機関銃の撃ち方を知らない少年と一緒に機関銃を撃ちまくる佐藤允さん。伊藤雄之助さんは戦闘が終わってから突っ込んできたり。

 何とか陣地を奪還して守備につき、三船敏郎さんが生きていることを知った慰安婦のお春さんは糧秣や弾薬が運ぶトラックで向かってくる。補給が来たと喜んでトラックに近づくと八路軍が補給トラックを奪っていて襲撃してくる。何とか撃退する主人公たち。

 慰安婦が兵隊たちを翻弄して自由に移動して活発なキャラクターなのが印象的でした。少年たちに筆おろしをさせてあげたり。

 守備陣地の日本兵のお墓の人数が少なかったり、八路軍の装備が日本の物だったりと不審な点を発見しつ。夜襲してきた八路軍によって負傷する三船敏郎さんが死亡してしまう。お春さんから冒頭で銃殺された兵隊は三船敏郎さんの弟だったと聞かされて慟哭する佐藤允さん。負傷した兵隊とお春さんを連絡係として送ろうとするがみんな拒否。そして大量の兵隊がわらわらやってきて「聖者の行進」を演奏しながらやられていく少年たち。佐藤允さんは突っ込んでいって八路軍の中に日本兵が混ざっていて彼らに殺され、最後に残った伊藤雄之助さんが敵の連絡係を射殺して、その連絡係が持っていた布に終戦だと知りながら息絶える。

 最後の八路軍の人数の多さのスペクタクルさや激しい戦闘シーンにお春さんがやってくるときの住まいを作るときのミュージカルシーンの楽しさ。そして「俺は戦争のやり方を教えたが人殺しは教えていない」と戦友がやられて捕虜に復讐しようと制裁を止める三船敏郎さんや最後の砲撃の中で最後まで演奏する「聖者の行進」の悲しさに涙が止まらない映画でした。

☆☆☆☆

鑑賞日:2009/07/25 DVD 2022/01/17 NETFLIX

監督岡本喜八 
脚本佐治乾 
岡本喜八 
出演三船敏郎 
伊藤雄之助 
佐藤允 
天本英世 
団令子 
仲代達矢 
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