●こんなお話
戦争で無残な姿になって帰ってきた男とその妻の話。
●感想
戦争で四肢を失ってしまうという戦争被害者の視点の日本映画というのは、珍しくてとても興味深く見ることができましたが。
夫は、食欲、睡眠欲、性欲しかやらず。延々とそれを繰り返す日常しか映さないので、結構退屈でした。
2人のこうなってしまった状況による葛藤だったり苦悩を描いてくれればよかったですが。淡々と追い込まれていく2人だけを見せられても、きつかったです。
それに、合間に入るテロップや戦争の悲惨さを映されても戸惑ってしまいます。
負傷してしまった自分の姿を観られたくないはずの夫ですが、夫の気持ちを理解した上で。リヤカーで外へ出して、村人の前に拝ませる。という行動が、夫の気持ちを苦しませるのに、笑顔で行う妻の怖さ。
これは、今までの夫が暴力を日常的にふるっていたことによる復讐なのか? と思ってみてました。
そういった妻の行動も、戦争によるものだとしたら。反戦のメッセージは、伝わってくると思いますが。いかんせん噛み合ってないように思えました。
夫の苦悩も、戦争という狂気の前線で中国で行った罪が苦しめているのだと思いますが。ちょっと、その行動もわかりやすく短絡的すぎる感じがして。クライマックスで妻と重ね合わせる心情がわかりずらかったです。
☆☆☆
鑑賞日:2011/10/09 テアトル新宿
リンク
監督 | 若松孝二 |
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脚本 | 黒沢久子 |
出口出 |
出演 | 寺島しのぶ |
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大西信満 | |
吉澤健 | |
粕谷佳五 | |
増田恵美 | |
河原さぶ |