映画【ベイビー・ブローカー】感想(ネタバレ)

BROKER
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●こんなお話

 赤ちゃんポストに預けられた赤ちゃんを子どもが欲しい人に売るブローカーたちや追いかける刑事の旅の話。

●感想

 土砂降りの雨の坂道を延々と長いこと映しだすファーストカットから静かに淡々と進む是枝作品感いっぱいで、そこに疑似家族ものとして話が余計に是枝作品な展開が安定のクオリティだと思います。

 赤ちゃんポストに入れずに地面に置く若い母親。それを遠くの車から見ている刑事2人。「捨てるなら産むなよ」という考えの持ち主。その赤ちゃんをポストに入れると、中には主人公たちがいて監視カメラの映像をカットしたりしてその赤ちゃんを盗み出す。

 赤ちゃんを置いた母親が教会に後日やってくると自分が置いた赤ちゃんがいないことに気付く。バイトの青年は警察に通報されるまえに母親に本当のことを話す。主人公のクリーニング屋に赤ちゃんがいて、子供に恵まれなくて赤ちゃんが欲しいと言っている人たちに売ろうとしていることを話す。

 そして主人公の車で買い手に会いに行くための旅。そして人身売買を現行犯で捕まえようとするために尾行する。

 女刑事2人組というコンビがビジュアル的に新鮮で面白いキャラクターでした。張り込み中の空腹感や旦那さんに何でも持ってきてもらうとかも楽しかったです。

 赤ちゃんが欲しいという相手に会うけど、めちゃ上から目線の夫婦だったりして実のお母さんぶち切れて交渉決裂したり。主人公の相棒が育った孤児院で休んだりして、そこでもう引き取られることが難しい7歳だかの男の子と会ったり。その男の子が車に忍び込んでいて、その子も一緒に旅をすることに。

 刑事たちが偽装の夫婦を仕込んで客として接触するけど、転売屋だと見透かされてバレちゃったりするコメディ。母親に刑事たちが接触して何やら減刑云々の話をしたり、ホテルで男性が殺人事件が起こって刑事が捜査しているのが差し込まれたり。ヤクザの姐さんみたいな人が赤ちゃんを連れ戻すように子分に話してヤクザからも追われるのかなとなっていきます。

 静かに淡々と進んで観覧車で「売らずにみんなで家族になるか」と話したりホテルで電気を消して「生まれてきてくれてありがとう」や列車で海にちなんだ名前空にちなんだ名前というのを話したりするのとか役者さんたちのお芝居や暗闇とかで映し出される映像とかを愛でる作風でした。

 赤ちゃんを本当に欲しがっている夫婦に売ろうか売らないかとなって、時間までみんなで遊園地で遊んで、夜ホテルで寝るけれど…。

 ただ、そもそもの設定で教会に捨てられた赤ちゃんをバイトの青年1人で見ていて、主人公を招き入れて赤ちゃんを盗んじゃうという警備体制どうなっているんだろうかというツカミだったり。ヤクザたちが追いかけてくる怖さみたいなのは一切なくて、気づいたら向こうから歩いてきて話を始めてだったり。刑事たちの執念の尾行劇とかもGPSが仕掛けられてるのに気づいた主人公たちが巻くけれど、その後普通に主人公たちをまた尾行していたりと物語として盛り上がることはなかったです。

 単純に1つ1つのシーンが長くて130分はチト退屈な映画でした。

☆☆☆

鑑賞日:2022/06/24 T・ジョイPRINCE品川

監督是枝裕和 
脚本是枝裕和 
出演ソン・ガンホ 
カン・ドンウォン 
ペ・ドゥナ 
イ・ジウン 
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