映画【世界侵略 ロサンゼルス決戦】感想(ネタバレ):ロサンゼルスを舞台に描く、海兵隊と未知なる敵の白熱戦

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●こんなお話

 エイリアンが世界侵略してきてロサンゼルス決戦する話。

●感想

 冒頭では、今日も筋トレに励む主人公の姿から物語が始まります。軍人としてのたくましさを保ちつつも、かつて自らの指揮下で仲間を戦死させてしまったことがあるようで、その痛みが心の奥に今なお残っているように見えました。軍からの退役を考えている様子も描かれており、表向きは平然としながらも、内に葛藤を抱え続けている人物像が伝わってまいります。

 一方で、彼の周囲には、戦場経験のない新任の若き上官や、日常の中で冗談を交わす部下たちなど、それぞれの生活と個性が丁寧に紹介されていきます。ここまでは比較的穏やかな空気が流れておりますが、ニュースで突如として“流星群”の来襲が報じられ、状況は一変。どうやら、ただの自然現象ではなく、知的生命体の攻撃だということで、主人公たちにも出動命令が下され、ヘリコプターでロサンゼルスへと向かうこととなります。

 ここからは怒涛の戦闘シークエンスへと突入。地上戦に突入するやいなや、民間人が避難する警察署へ向かう途中で奇襲を受けるなど、なかなか前に進ませてくれません。ようやく到着した警察署でも、救助用のヘリがあっさり撃墜されてしまい、次なる手段としてバスで基地を目指すという決断に至ります。その中で、敵の航空機が電磁波を探知して攻撃してくるという新たな情報がもたらされ、作戦はますます難航していきます。

 ようやく避難の道が見えてきたかと思われた矢先、停電している地区に“敵の親玉”が潜んでいるとの情報が入り、主人公たちは偵察任務へ。地下に潜った先に、なんと敵の母船が発見され、ミサイル攻撃の要請をかける中、自らも銃を手に撃ちまくるという壮絶なラストバトルへ突入していきます。母船を破壊したことで、空を飛び回っていた敵機が次々と墜落、これまでの劣勢が一気に逆転して、物語は収束を迎えます。

 序盤では、登場人物の紹介がテロップとともに一気に押し寄せてきて、誰が誰なのか最後までわからないまま観ることになりました。主要人物の2人程度を除けば、名前も顔も一致しない状態で、果たしてあの早口のキャラクター紹介は効果があったのかどうか、個人的には疑問が残りました。

 また、宇宙人の登場も開始から25分ほどで早々にあり、ロサンゼルスを舞台にした戦闘が本格化します。最初は姿を見せないまま激しい攻撃を繰り広げてくるため、緊張感があったのですが、いざ姿を現すと普通に銃撃戦をしてくるため、視覚的なインパクトにやや欠ける印象でした。見たこともないような宇宙的兵器や、理解不能な戦術などがあれば、より作品世界への没入感が高まったように思います。これでは敵が宇宙人でなくても良かったのでは、という印象すら持ってしまいます。

 いわゆるミリタリー映画にありがちな、「負傷兵が敵を食い止めるため自爆を決意」「主人公が1人で本拠地へ突入しようとすると仲間が次々と後を追う」といった展開が、音楽に合わせて盛り上げられるなど、テンプレートとしては非常に王道な流れが踏襲されていました。これにより熱さは感じるものの、同時に既視感も否めません。

 主人公が驚異的な速さで敵の弱点を見抜いたり、序盤では多数の兵士が一瞬で倒されていたのに、終盤はわずかな人数で形勢をひっくり返すなど、都合の良い展開も多く、物語に没入しきれない部分もございました。個人的には、後半になるにつれ、登場人物の行く末に興味が薄れていってしまい、つい時計が気になってしまいました。クライマックスの戦いも、想像していたほどの激しさはなく、あっさり終わってしまった印象が残ります。

 とはいえ、海兵隊の装備や行動、指揮系統などに興味がある方であれば、それを体感できるだけでも楽しめる内容だったかと思います。リアル寄りのミリタリー描写と、都市型戦闘の雰囲気を味わえる一作となっておりました。

☆☆

鑑賞日:2011/09/30 Blu-ray 2023/06/27 NETFLIX

監督ジョナサン・リーベスマン 
脚本クリストファー・バートリニー 
出演アーロン・エッカート 
ブリジット・モイナハン 
ミシェル・ロドリゲス 
マイケル・ペーニャ 
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