映画【BALLAD 名もなき恋のうた】感想(ネタバレ):小学生が戦国時代へタイムスリップ!親子で挑むファンタジー時代劇

ballad
スポンサーリンク

●こんなお話

 小学生が戦国時代にタイムスリップして侍大将とお姫様の恋愛の仲をとりもったり、敵国が攻めてくる話。

●感想

 物語は、小学生の主人公が「オオクヌギのお地蔵様」の前で手紙を発見するところから始まる。その手紙は、なぜか自分が書いたような気がする。不思議に思っているうちに、あたりには甲冑を着た武士たちが現れ、火縄銃を構えた男に声をかけたことで、偶然にも侍大将の命を救うことになる。

 時代が戦国時代であることに驚きながらも、主人公は未来から来たことを武士たちに説明し、最初は戸惑われながらも受け入れられて一緒に過ごすことになる。一方、主人公の両親は息子の失踪に困惑し、オオクヌギの前で待っているうちに、なぜか自分たちも戦国時代にタイムスリップ。偶然にも目の前に息子がいたことで再会を果たすが、元の時代には戻れない状況に。

 隣国の大名が姫を正室に迎えようとやってくるところから動き始める。しかし姫には侍大将への想いがあり、縁談を素直に喜べない。その様子を察した大名は、怒りと嫉妬から求婚を拒否されたことを理由に攻め込んでくる。

 戦力は敵が5000人に対し、味方はわずか500人。劣勢ながらも攻城戦をなんとか防ぎ切り、翌朝には逆に敵の本陣へ突撃を仕掛ける。クライマックスでは、主人公たちが現代の車で突入し、侍大将と大名が一騎打ち。侍大将が勝利をおさめるが、首を討たずに髷を切り落として終わらせるという現代的な決着。

 ところがその直後、侍大将は謎の人物に撃たれて命を落とす。姫との別れを経て、主人公たちは現代に帰還。物語は、主人公が再び学校へ通う日常へと戻っておしまい。

 この作品は、ファンタジー時代劇として、子ども向けに描かれているのが特徴でした。合戦シーンがありつつも、直接的な死体描写がなく、見やすい作風となっています。攻城戦の迫力もあり、ビジュアル的な演出は見応えがありました。

 ただし、物語の核となる「お姫様をめぐる争い」や「現代的価値観で戦国時代の人々を説得する」といった展開には少し無理を感じました。タイムスリップの原因も明かされず、観る側としては感情移入しづらい部分もあったり。

 また、未来から来たという設定を活かしきれていない点も惜しいです。使われる現代技術といえば、せいぜい車での乱入と望遠レンズで遠くを見る程度で、未来人としての知識や優位性がストーリーに活かされていなかったのが残念でした。

 お姫様と侍大将の身分差の恋愛もドラマチックには描かれていますが、展開がやや平板で盛り上がりに欠けた印象も。ただ、全体的には戦国ファンタジーとして一定のエンタメ性を保っていて、子どもと一緒に安心して楽しめる作品になっていると思いました。

☆☆

鑑賞日:2010/05/02 DVD 2024/02/26 WOWOW

監督山崎貴 
脚本山崎貴 
原案臼井儀人
出演草なぎ剛 
新垣結衣 
大沢たかお 
武井証 
筒井道隆 
夏川結衣 
香川京子 
中村敦夫 
吹越満 
吉武怜朗 
波岡一喜 
菅田俊 
小澤征悦 
斉藤由貴 
タイトルとURLをコピーしました