映画【アルゴ】感想(ネタバレ):実話を基にしたニセ映画計画脱出劇!

argo
スポンサーリンク

●こんなお話

 イランのアメリカ大使館が占拠されて隠れたアメリカ人たちをCIAが映画クルーに化けさせて脱出させようとする話。

●感想

 1979年当時の雰囲気が見事に再現されていて、ファッションや画質の粗さも含めてリアルに当時のアメリカやイランの空気を感じられました。昔ながらのハラハラドキドキが詰まった楽しい120分の作品でした。

 当時のイランとアメリカの複雑な情勢を頭に入れつつ、アメリカ大使館がイランの群衆に囲まれてパニック状態になる様子がリアルに描かれる。警備隊の隊長と思われる人物が「話してくる」と言って外に出て行ったが、すぐに捕まって「助けてくれー」と叫ぶ場面から緊張感が高まる。何が目的だったのかよくわからないまま、大使館は乱入され占拠されてしまう。

 そんな中、6人の大使館員だけがカナダ大使の家に逃げ込み、かくまわれることになる。見つからないように脱出させるため、ほぼ不可能に近いミッションが計画される。主人公はハリウッド業界のツテを頼って協力者を集め、イランに単身乗り込んでニセ映画計画脱出大作戦を説明。実行に移そうとするが、直前で中止命令が出る。しかし主人公は勝手に決行し、上司たちは慌てて後から許可を出す。かなり無茶な展開で物語が進んでいく。

 脱出の過程でバレずに成功するのかというハラハラドキドキが続くが、数々の障害の設定は既視感が強く、何度も見たことがあるような展開が目立ちました。さらに、主人公たちの機転やアイデアで乗り越えるというよりは、とぼけたり待ったりするだけで解決してしまうため、盛り上がりに欠ける印象を受けたり。電話に出なければならないが出られない、どうしよう?という場面も実際には普通に間に合ってしまうなど、不自然さが目立ちます。

 クライマックスの空港シーンでも数々の障害を突破するものの、実際には大した行動をしていないように見えたり。最後の最後にアメリカ人の正体がバレて滑走路でのカーチェイスになる展開は、リアリティが薄れ、ハラハラ感はあるもののやや違和感がありました。

 そして何より、アメリカ人をひたすらかくまい続けたカナダ大使夫妻の献身と勇気が際立ち、この映画で最もすごい存在に思えてしまった1作でした。

☆☆☆

鑑賞日:2012/10/27 イオンシネマ多摩センター 2021/01/21 U-NEXT

監督ベン・アフレック 
脚本クリス・テリオ 
出演ベン・アフレック 
アラン・アーキン 
ジョン・グッドマン 
ブライアン・クランストン 
タイトルとURLをコピーしました