●こんなお話
海底人たちの周囲を巻き込んだ兄弟げんかの話。
●感想
灯台に負傷した海底人が現れ、灯台守の女性と恋に落ちる。やがて子どもも生まれるが、海底人たちが襲撃にやってくる。母親は家族を守るために再び海へと戻ることを決意する。
その後、ロシアの潜水艦が海賊に襲撃され、主人公が救出に向かう。しかしこの行動が仇となり、海賊側から逆恨みを買うことになる。一方、海底では複数の王国が統一され、地上への侵攻を計画。周囲から王として立ち上がるよう促される主人公だが、本人は乗り気ではない。
しぶしぶ海底王国に向かった主人公は、隠れ家に身を寄せるもすぐに見つかり捕らえられてしまう。弟との王位を巡る決闘が行われ、追い詰められた主人公はパートナーの助けで辛くも脱出する。
その後、伝説の武器「アトランティスの矛」を手に入れるため、砂漠を横断する冒険の旅に出る。イタリア・シチリアで手がかりを得るも、パワーアップした海賊の息子が襲撃してくる。しかし戦闘の末、これを撃退。
海中で主人公がクリーチャーに襲われ逃げ込んだ先で、行方不明だった母親と再会を果たす。そしてついに「アトランティスの矛」を手にしたことで主人公も大きく成長。王の資格を得る。
その頃、弟は海底王国同士を戦争へと導いており、主人公がそれを止めるべく出陣。兄弟の一騎打ちが行われ、主人公が勝利。弟は逮捕され、主人公は海底王に即位して物語はおしまい。
冒頭のニコール・キッドマンによるアクションシーンは、長回しでスピード感があり、非常に見応えがありました。イタリアの屋根上を駆け抜ける追跡劇も、見やすくて派手なアクションとして楽しめました。編集がカチャカチャしていない点も近年のアクション映画には珍しく、暗い場所でもしっかり動きが追えて好感が持てるものでした。
また、主人公とヒロインが世界を巡って王の武器を探すという流れは、まるで『インディ・ジョーンズ』のようなアドベンチャー作品になっており、テンポよくワクワクできる展開。
ただ、ストーリー展開自体は既視感のある兄弟喧嘩や王位継承問題が中心で、目新しさは少なく。悪役の動機やキャラクター性にも深みがなく、海賊のビジュアルもチグハグで、笑わせようとしているのか本気なのか判断に迷う微妙な造形だったり。
クライマックスの海中バトルはCG主体のアニメーションバトルで、どこかテレビゲームのムービーを見ているような感覚になり、臨場感には欠ける印象で。ワーワー騒がしいだけで感情的な盛り上がりに欠け、140分という尺の長さをやや感じさせる仕上がりにも感じてしまいました。
☆☆☆
鑑賞日: 2019/02/12 TOHOシネマズ川崎 2021/05/08 Amazonプライムビデオ 2024/01/13 Amazonプライムビデオ
監督 | ジェームズ・ワン |
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脚本 | デヴィッド・レスリー・ジョンソン=マクゴールドリック |
ウィル・ビール |
出演 | ジェイソン・モモア |
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アンバー・ハード | |
パトリック・ウィルソン | |
ウィレム・デフォー | |
ニコール・キッドマン | |
ドルフ・ラングレン |
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