●こんなお話
不老不死のアナコンダに善人も悪人も食べられる話。
●感想
前作で捕獲された子どものアナコンダが、ルーマニアの山中に建てられた極秘研究施設へ運び込まれるところから物語は始まる。施設では科学者ピーター・レイスナーが、不老長寿の効果を持つブラッド・オーキッドを人工的に改良し、その成分から細胞再生血清を開発していた。レイスナーはアナコンダへ血清を投与し、焼却や切断による実験を繰り返すが、驚異的な再生能力を獲得したアナコンダは研究施設を脱走する。巨大化したアナコンダは施設の研究員たちを次々と襲い、逃げ延びようとしたレイスナーもブラッド・オーキッドが群生する鉱山で捕食されてしまう。
一方、末期の骨がんを患う大富豪ピーター・J・D・マードックは、細胞再生血清さえ手に入れれば自らの命を救えると信じ、傭兵部隊を率いるユージーンへレイスナーの捜索を命じる。同じ頃、前作で生還した科学者アマンダ・ヘイズも、ブラッド・オーキッドと細胞再生血清、そして巨大アナコンダを完全に葬るため、政府関係者とともに現地へ向かう。しかしマードックは、必要であればアマンダも始末するようユージーンへ密命を下していた。
山へ入ったアマンダたちは、古生物学の調査を行っていた青年アレックスと合流する。その一方で、消息を絶った研究者を捜索していたスコットやヘザー、ウェンディ、パトリックらも同じ山中へ入り込み、それぞれが巨大アナコンダの脅威へ巻き込まれていく。アマンダはブラッド・オーキッドが群生する鉱山へ到着し、爆薬で群生地ごと破壊しようと試みるが、巨大化したアナコンダが姿を現し、護衛の兵士たちは次々と命を落としていく。アマンダは爆薬を設置したまま辛うじて脱出するものの意識を失い、アレックスだけが救援を求めて山を下る。
やがてマードック側の傭兵部隊も現地へ到着し、アマンダたちを追跡する。しかしブラッド・オーキッドの影響で再生能力を得たアナコンダは、銃撃や爆発では倒れず、切断されても再び肉体を再生させる恐るべき怪物となっていた。途中でクモに噛まれたヘザーは体調を崩しながらも必死に生き延びようとするが、山中では仲間たちが次々と犠牲となり、民間人も傭兵も区別なく巨大な蛇の餌食となっていく。さらにユージーンの部下たちは、口封じのため逃げ出そうとしたウェンディや負傷したパトリックまで射殺し、人間同士の欲望と裏切りも激しさを増していく。
その後、アマンダとジャクソンはレイスナーの山小屋へたどり着き、細胞再生血清を発見する。しかし二人は血清をマードックへ渡すことを拒み、密かに破壊しようと考える。その矢先、巨大アナコンダが山小屋を襲撃し、傭兵を丸のみすると、生き残った者たちは必死の応戦を開始する。ジャッキーは手榴弾でアナコンダを倒そうとするが、自ら爆発へ巻き込まれて命を落とす。スコットもアマンダを逃がすため囮となって立ち向かい、そのまま命を落とす。アマンダはガソリンへ引火させ、アナコンダを真っ二つに吹き飛ばすことに成功するが、怪物は再び傷口を再生させ、絶望的な光景が広がる。
ベースキャンプではマードック本人も現れ、ライバル企業の関係者まで姿を見せたことで、血清を巡る争奪戦はさらに激化する。ユージーンは裏切りを重ねながら双方を利用しようとするが、ジャクソンとの激しい格闘の末に刺され、混乱の中でマードックの宿敵も命を落とす。ジャクソンも重傷を負うが、アマンダがユージーンの部下アーモンを射殺し救出する。マードックはついに細胞再生血清を手に入れ、自らへ注射して病気が治ることを喜ぶ。しかし、その歓喜も束の間、巨大アナコンダが姿を現し、マードックをそのまま丸のみしてしまう。不老長寿を求め続けた男は、自らの欲望によって命を落とすことになる。
最後はアマンダ、ジャクソン、アレックス、ヘザーの四人がジープで脱出を開始し、アマンダは最後の爆薬を起爆してブラッド・オーキッドの群生地を完全に破壊する。しかし執念深いユージーンはジープへしがみついて襲いかかり、ジャクソンを引きずり降ろそうとする。アマンダはユージーンを蹴り落とし、彼が握っていた手榴弾が爆発。その爆発へ巨大アナコンダも巻き込まれ、粉々に吹き飛ばされる。生存者たちはようやく山から脱出することに成功するが、ラストでは爆散したはずのアナコンダが再び肉体を再生させ、静かに森の奥へと消えていく。細胞再生血清によって誕生したアナコンダは完全には滅びていないのが示唆されておしまい。
シリーズも第4作となりますが、相変わらず物語の骨格はモンスターパニック映画の王道をそのまま突き進む内容でした。目新しい展開はほとんどありませんが、巨大アナコンダが暴れ回る姿を気軽に楽しむ作品として割り切れば、それなりに満足できる一本でした。全体から漂う低予算感も、このシリーズらしい味になっていたと思います。
特に印象的だったのは、引きの構図で巨大アナコンダが人間を丸のみするシーンです。CGの質には時代を感じるものの、そのチープさが逆に独特のシュールさを生み出していて、思わず笑ってしまうような場面が何度もありました。巨大な蛇が画面いっぱいに暴れ回るだけでも、このシリーズを観る楽しさは十分に味わえます。
一方で、人間ドラマは最後まであまり入り込めませんでした。主人公のアマンダは正義感が強い反面、その行動によって周囲を危険へ巻き込み続けるため、素直に応援しづらい人物になっています。悪役であるユージーンたちも頭脳派には見えず、勢いだけで行動している印象が強く、緊迫感よりも滑稽さが先に立ってしまいました。手榴弾で自爆しようとして失敗するような場面は笑える反面、急にコメディのような空気になるため、作品全体の雰囲気が少しちぐはぐに感じられました。
そのため、ブラッド・オーキッドや細胞再生血清を巡る争奪戦についても、あまり感情移入できないまま物語が進んでしまいます。誰が血清を手に入れるのかという展開よりも、「次はどんな方法でアナコンダが襲ってくるのだろう」という部分ばかりに興味が向いてしまいました。
クライマックスも、アナコンダは車へあと一歩というところまで迫る場面が何度も描かれる一方で、なぜか主人公たちだけは絶妙なタイミングで逃げ切れてしまいます。そのご都合主義も含めてB級モンスター映画らしい魅力ではありますが、もう少し怪物の脅威を徹底して描いてくれていたら、さらに盛り上がったように思います。
深みのあるストーリーや人物描写を期待すると物足りなさはありますが、巨大アナコンダが暴れ、人々が次々と襲われていくシンプルな娯楽作品として観れば十分に楽しめる内容でした。シリーズならではのチープさや勢いを最後まで貫いている作品でした。
☆
鑑賞日: 2009/06/10 DVD 2020/03/30 WOWOW 2026/07/05 U-NEXT
| 監督 | ドン・E・ファンルロイ |
|---|---|
| 製作 | アリソン・セメンサ |
| 出演 | クリスタル・アレン |
|---|---|
| ジョン・リス・デイヴィス | |
| リンデン・アシュビー |

