映画【秋刀魚の味】感想(ネタバレ)

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●こんなお話

 自らの老いとか娘の結婚とかいろんな問題を考え直す話。

●感想

 冒頭から主人公のお父さんが部下の女性に結婚しないのかどうなのかと問いかけるところから始まりますが、2013年からしてみるとセクハラなのではないのかと思ってしまうくらい怖い会話です。

 奥さんが早くに亡くなり、23だか24歳の娘さんがお父さんの身の回りの世話をしていて友人たちから早く嫁にやらないとと言われ、更に友人の1人は若い奥さんをもらって「真面目な話、結構うまくいくもなんだ」と奥さんをもらうのもいいもんだと言われ。
 クラス会をすることになり、恩師は主人公と同じく娘さんと一緒に生活してお世話してもらってるけど、その娘さんはお嫁にいっていないのを見て考える主人公。ちなみにこの恩師役の東野英治郎さんのしわがれっぷりが最高です。生徒である笠智衆さんより年下なのに年上に見える凄さ。
 主人公の長男の団地での生活も描かれ、欲しいゴルフクラブを買うか買わないかで悩むというシークエンスが結構長いこと描かれるのが笑えます。そんなに時間をかけて描く必要があるのかがわからないです。結局、ローンで買うということになる。
 
 基本、主人公はお酒を飲みたくさん食べて幸せな定年間近だなぁと思いながら見てました。そしてまだ終戦の影が残っていて、日本が買ってたら今頃ニューヨークですよと語るサラリーマンたちが時代を感じさせます。
 驚くのは主人公の娘さんの相手を決めて、お互いをあわせようと決まったすぐ次のシーンでもう結婚が決まっているという恋愛のくだりがまるごとないという。女性が物みたいに扱われるのはこれも時代なのかと驚く映画でした。

☆☆☆☆

鑑賞日:2013/01/28 Hulu

監督小津安二郎 
脚本野田高梧 
小津安二郎 
出演笠智衆 
岩下志麻 
三上真一郎 
佐田啓二 
岡田茉莉子 
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