映画【大統領の執事の涙】感想(ネタバレ)

the-butler
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●こんなお話

 アイゼンハワー大統領からレーガン大統領まで執事として仕えたお父さんと公民権運動に参加していく息子との確執の話。

●感想

 アメリカの差別の歴史の勉強になる映画で誠実に作られている映画だと思いました。
 綿花園で奴隷として働く主人公と主人公の両親は酷い扱いを受けているところから始まり、盗人になるけど。執事としてめきめきと成長してホワイトハウスで働くまでになる。

 開始25分でホワイトハウスまでたどり着いちゃって、だいぶ運がよくて幸福な主人公だと思いました。そっから主人公はアイゼンハワー、ケネディ、ジョンソン、ニクソン、レーガンと歴代大統領の元で働き。息子は差別をなくそうとファミレスで座り込みしたり、乗ってたバスがトリプルKに襲撃されたり、キング牧師と運動したり、ブラックパンサー党に入ったり。
 アメリカの差別や悲劇を主人公家族を通して見せていきます。そういうアメリカの負の歴史をなぞってるだけかもしれませんが描くのは素晴らしいことだと思いました。

 けれどもその歴史と共に描かれる家族。主人公は白人に逆らわずにひたすら仕える。息子はそんな父がわからず運動に熱をあげていきます。
 この家族のシーンが結構長いこと描かれますが、正直そんなに面白味を感じることができなかったです。反発しあう親子を時代と共に描いていくのもこれまた教科書的で真面目な展開。
 主人公が執事の仕事をやめるきっかけになる晩さん会にゲストで呼ばれるのもレーガン夫人に誘われなかったら動かなかったとこだと思うし。確かに上司に黒人たちの労働条件の改善を要求したことがきっかけだと思いますが、ちょっと受動的すぎると思いました。
 主人公のモノローグも多用されてますが、フォレスト・ウィテカークラスの俳優さんなら自分の気持ちを説明しなくてもお芝居で表現できると思いますが、「私はこの時」と自分の気持ちを説明していきます。
 大統領たちも聖人君子で黒人のことを理解する人たちとして描かれたり。ニクソンだけネガな描かれ方ですが、それでも偉大な指導者として描かれる。

 アメリカの近代史を勉強できて、自由の国と言われてるけど全然自由の国じゃないと知ることができる映画でした。

☆☆☆

鑑賞日: 2014/02/16  TOHOシネマズ府中

監督リー・ダニエルズ 
脚本ダニー・ストロング 
原作ウィル・ヘイグッド
出演フォレスト・ウィテカー 
オプラ・ウィンフリー 
ジョン・キューザック 
ジェーン・フォンダ 
テレンス・ハワード 
レニー・クラヴィッツ 
ジェームズ・マースデン 
デイヴィッド・オイェロウォ 
ヴァネッサ・レッドグレーヴ 
アラン・リックマン 
リーブ・シュレイバー 
ロビン・ウィリアムズ 
キューバ・グッディング・Jr. 
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