●こんなお話
米軍の特殊爆弾を積んだイーグルが山中に墜落して某国工作員が爆発させようってんで、戦場ジャーナリストと記者と自衛隊員が戦う話。
●感想
戦場カメラマンとして湾岸戦争を取材していた西崎優二は、湾岸戦争の取材で傷つき第一線を退く。妻も亡くし、息子とも離れて暮らす現在の西崎は、日本で週刊誌の契約カメラマンとして静かな日々を送っている。
ある冬の日、西崎はかつての同僚で新聞記者の落合信一に誘われ、長野県側の北アルプスへ入山する。落合は墜落した機体を探す目的がある。
同じ頃、首相官邸では緊急会議が開かれる。墜落機には通常兵器に偽装された極秘の小型核兵器が搭載されていることが判明する。爆弾が起爆すれば首都圏に壊滅的被害が及ぶ可能性があるため、日本政府は事態を極秘扱いとし、自衛隊特殊部隊を現地へ派遣する。
一方、核兵器を奪取するため北朝鮮の特殊工作員部隊も日本へ潜入していることが判明する。雪深い山岳地帯では自衛隊と工作員の銃撃戦が始まり、双方に死傷者が出る。
西崎たちは自衛隊三尉の佐伯と合流する。佐伯は仲間を失いながらも任務を続行し、爆弾の解除を試みる。機体内部では起爆装置のカウントダウンが進行していることが判明する。
東京では、西崎の亡き妻の妹で雑誌記者の有沢慶子が、事件の裏にある国家機密を追って独自に取材を進める。彼女は横田基地爆破事件に関与したとされる工作員の恋人と接触し、核兵器計画の全貌に迫る。しかし政府は情報統制を強め、報道を制限する。
雪山では爆弾解除作業が進められるが、工作員が再び襲撃する。落合は銃撃を受けて死亡する。爆弾を安全に処理する時間は限られている。西崎は首相に直訴し、最終手段としてミサイル攻撃による爆弾ごとの焼却を進言する。
決断の末、米軍の巡航ミサイルが発射される。西崎と佐伯は爆弾の停止を試み続けるが、機体は爆炎に包まれる。核爆発は回避されるものの、西崎は爆撃の中で命を落としておしまい。
山岳サスペンスと国家規模の危機を組み合わせた大作で、スケールの大きさは確かに印象的でした。極寒の雪山という閉ざされた空間で核兵器を巡る攻防が展開する構図は、とても映画的で緊張感があります。
主人公は過去の戦争取材によって人生を狂わされた男で、その傷を抱えたまま再び歴史的瞬間に立ち会うことになります。この設定自体は重厚で、贖罪と使命が交差する物語として見応えがありました。
一方で、アクション演出は単調に感じました。銃撃戦では撃つ側と撃たれる側を交互に映す構成が続き、さらにスローモーションが多用されるため、緊迫感が途切れてしまう瞬間もあります。雪上迷彩の自衛隊と工作員の区別がつきにくい場面もあり、視覚的な整理がもう少し欲しかったところです。
東京パートで描かれる慶子の取材劇も、国家機密に迫るという題材の重さに対して盛り上がりが緩やかで、山岳パートとの緊張差が大きい印象を受けました。そのため上映時間の長さを体感として強く感じてしまいます。
とはいえ、国家の決断を下す総理大臣の姿や、極限状況で任務を遂行する自衛官たちの覚悟には重みがありました。特に総理役の存在感は画面を引き締めており、国家という巨大な枠組みの中で個人がどう行動するのかというテーマを鮮明にしています。
山岳アクション、政治サスペンス、人間ドラマという複数の要素を内包した意欲作であり、その挑戦的な構成こそが本作の個性だと感じました。
☆☆
鑑賞日: 2008/11/20 DVD 2014/06/19 Hulu 2026/03/14 U-NEXT
| 監督 | 成島出 |
|---|---|
| 脚本 | 長谷川康夫 |
| 飯田健三郎 | |
| 原作 | 高嶋哲夫 |
| 出演 | 大沢たかお |
|---|---|
| 竹内結子 | |
| 玉木宏 | |
| 吉田栄作 | |
| 袴田吉彦 | |
| 大森南朋 | |
| 波岡一喜 | |
| 金子さやか | |
| 石黒賢 | |
| 藤竜也 |


