映画【イントゥ・ザ・ストーム】感想(ネタバレ):迫力の竜巻シーンと家族の絆が交差する!

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●こんなお話

 怪獣みたいな破壊神な竜巻が来て、みんなで飛ばされないように踏ん張る話。

●感想

 ある高校の卒業式の日から物語が始まります。教頭先生は思春期の息子との関係に悩み、どこかぎこちない空気が漂っている。一方で、ストームチェイサーのチームは竜巻の映像を追いかけつつも、なかなか満足のいく記録が撮れず、フラストレーションを募らせている様子。

 そのころ、好奇心旺盛な高校生の男女二人は、授業の資料作りのために廃墟となった産業廃棄物処理施設へ忍び込むという行動に出る。そんな中、突如として発生した巨大な竜巻が町を襲い、卒業式は中断、生徒たちは学校内へと避難します。

 一方、廃墟にいた生徒たちは建物内に閉じ込められてしまいますが、偶然その付近にいたストームチェイサーたちと教頭先生が力を合わせて救出に向かう。水に浸かり、命の危機に晒された高校生たちを、間一髪のところで助け出す。

 ストームチェイサーの助手は、当初は危険を恐れて撮影を諦めかけていましたが、目の前に現れた巨大竜巻を目の当たりにして再びカメラを構えます。しかし近づきすぎたことで竜巻に巻き込まれ、パニック状態に陥る場面もあったり。

 後半では、巨大竜巻が学校に迫る中で生徒たちを避難させるために奔走する一行の姿が描かれたり。避難に遅れた主人公たちは、やむなく工事中の下水道へと身を隠しますが、竜巻の勢いは想像を超えており、そこでも危機に直面。その瞬間、ストームチェイサーのリーダーが車を使って排水口を塞ぎ、仲間たちを救うために命を懸けるという自己犠牲の精神を見せます。

 こうして竜巻は過ぎ去り、街は壊滅的な被害を受けながらも、生き残った人々は復興に向けて立ち上がるということでおしまい。

 映像面では、迫力ある竜巻の破壊シーンが特に印象的で、息をのむような緊張感が続きました。特に火のついた竜巻が登場する場面は圧巻で、視覚的にも恐怖感に満ちた演出が際立っていましたと思います。

 一方で、序盤はPOV(主観カメラ)方式で進行し、家庭用ビデオのような演出が多く、日常シーンがやや冗長に感じられる点は否めませんでした。未来の自分に向けたビデオメッセージや、長男と女子生徒の恋愛模様といった描写は、ややテンポを落としてしまっていた印象です。

 また、物語全体における地理的な距離感や時間経過の描写に一貫性が乏しく、緊張感やサスペンスとしての盛り上がりに欠けた点も惜しまれます。長男たちがすぐに廃墟に到着しているのに対し、父親たちはなかなか辿り着かないといった展開がリアリティに欠け、ミッション性としての面白さがやや薄れていました。

 さらに、POV演出が中盤以降減ってしまったことで、ビジュアル的な個性が失われ、災害スペクタクルとしての一貫性も希薄に感じられました。ストームチェイサーの自己犠牲的な行動も唐突で、ドラマとしての積み重ねが足りないために、感動的なクライマックスとしての説得力にはやや欠ける印象です。

 また、町全体が壊滅的な被害を受けたにもかかわらず、主人公以外の被害状況がほとんど描かれなかったことから、災害映画としてのスケールや重みがやや感じづらかったのも残念な点でした。

 とはいえ、全体の上映時間が90分強という短めの構成でテンポよく進み、迫力ある竜巻映像や災害シーンを楽しめるエンタメ作品としては、十分に楽しめる内容でした。

☆☆☆

鑑賞日: 2014/08/29 イオンシネマ多摩センター  2015/03/24 TSUTAYA TV 2024/08/06 Amazonプライム・ビデオ

監督スティーヴン・クエイル 
脚本ジョン・スウェットナム 
出演リチャード・アーミティッジ 
サラ・ウェイン・キャリーズ 
ジェレミー・サンプター 
ナザン・クレス 
マット・ウォルシュ 
カイル・デイヴィス 
マックス・ディーコン 
アリシア・デブナム=ケアリー 
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