●こんなお話
スーパーマンが地球に帰ってきて、レックスルーサーの陰謀と恋人だったロイスにいまだにうじうじ悩む話。
●感想
映画のオープニングクレジットが始まるとともに、ジョン・ウィリアムズ御大によるオリジナルのメインテーマが流れ出し、その瞬間から気持ちが高揚して胸が熱くなりました。劇中でスーパーマンが人々を助け、その直後にあの壮大なテーマ曲が大きく響き渡るシーンは、自然と涙がこぼれそうになるほど感動的で、心を鷲掴みにされてしまいます。
物語の序盤では、飛行機の墜落現場での救出劇や、強盗犯が凄まじい武器を振りかざす中、スーパーマンが自らの身体で弾丸を受け止めるなど、まさに英雄としての真骨頂が見られます。その活躍には思わず熱くなり、画面の向こう側の緊張感と高揚感が伝わってきて、観ているこちらも手に汗握りました。
物語の中核には、宿敵であるレックス・ルーサーの陰謀が据えられており、彼はアメリカを沈没させて新大陸を築こうと画策します。この陰謀の進行が同時に描かれていくことで、緊迫したストーリー展開に深みが加わっております。
ただ、敵との戦いだけが物語の中心ではなく、スーパーマンとヒロイン、そしてその子どもとの関係性が丁寧に掘り下げられているため、ドラマ部分に重きを置く展開となっています。とはいえ、その人間ドラマがどこか陰鬱な印象を帯びており、次第に物語のリズムが落ち着いていく感覚もありました。特にヒロインが笑顔をほとんど見せず、婚約者がいるにもかかわらずスーパーマンとの間で揺れる心情は、好みが分かれるところかもしれません。婚約者が必死に飛行機を操縦し、ヒロインたちを救おうとする姿はとても健気で、その健気さが胸に響きました。
それでも、映像の迫力はやはり見事で、160分の長丁場ながら集中して鑑賞できる作品に仕上がっています。スーパーマンが地球に戻り、再び新聞記者としての生活を始める様子も描かれており、かつての恋人に婚約者、そして子どもがいるという複雑な状況が展開されます。その中でスーパーマンは透視能力や聴力を駆使し、ヒロインの行動を気にかけるあまり、まるでストーカーのような一面を見せることもあり、思わず苦笑いしてしまいました。
全体を通して、スーパーマンの英雄としての姿だけでなく、人間味あふれる感情の揺れ動きも味わえる映画であり、映像の壮大さとドラマの深さが絶妙に融合した作品と言えます。
☆☆☆
鑑賞日: 2016/03/21 NETFLIX
監督 | ブライアン・シンガー |
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脚本 | マイケル・ドゥーティ |
ダン・ハリス |
出演 | ブランドン・ラウス |
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ケイト・ボスワース | |
ジェームズ・マースデン | |
フランク・ランジェラ | |
エヴァ・マリー・セイント | |
パーカー・ポージー | |
サム・ハティントン | |
カル・ペン | |
ケヴィン・スペイシー |
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