映画【西遊記~はじまりのはじまり~】感想(ネタバレ):チャウ・シンチー監督の異色妖怪アクション!

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●こんなお話

 妖怪が跋扈する中国で妖怪ハンターたちが、いろんな妖怪たちを退治しようとする話。

●感想

 川に浮かぶ小さな村に妖怪が現れるという展開からスタート。妖怪の襲撃に村人たちは怯え、導師が巨大なエイの妖怪を退治します。しかし、主人公は「真の脅威は別にいる」と主張しますが、村人たちには信じてもらえません。やがて村人が川へ飛び込むと、正体不明の魚の妖怪が襲来し、大混乱に陥る。主人公は歌によって妖怪を鎮めようとしますが、突如現れた女性の妖怪ハンターが妖怪を封印することでその場を収めます。

 その後、レストランに訪れた旅人が突如店員に襲われる事件が発生。そこへ主人公たちの妖怪ハンター団が現れ、対処を試みるものの、ブタの妖怪は逃走してしまいます。

 女性の妖怪ハンターは仲間とともに行動しており、主人公も一緒に旅をすることになります。彼女は主人公に想いを寄せており、何とか振り向いてもらおうと健気に努力しますが、主人公はまったくその気がありません。

 やがて、逃げたブタの妖怪が再登場し、別の妖怪ハンターたちが対峙しますが、妖怪ハンター同士で衝突が起こる。その混乱の中、主人公は1人で封印されていた孫悟空のもとへ向かい、ブタの妖怪の弱点を教えてもらい見事に退治することに成功します。

 しかし、油断した主人公がうっかり孫悟空の封印を解いてしまい、彼は凶暴な本性をあらわにして妖怪ハンターたちを次々と襲撃。女性の妖怪ハンターも命を落とし、主人公は悲しむ。そして最後は、大日如来の化身として孫悟空を従え、新たな旅に出る姿が描かれておしまい。

 オープニングから巨大なセットを活かしたスピード感あふれるアクションが展開され、チャウ・シンチー監督らしいユーモアとバイオレンスが交錯する演出には圧倒されました。軽妙なギャグの中に時折挟まれる容赦のない描写は意外性があり、心に残るシーンも多かったです。

 主人公は善良ながらも戦闘能力には乏しく、毎回ヒロインに助けられるという設定もユニークで、二人のドタバタ劇は笑える場面が多く楽しめました。特に、ヒロインが自作自演で山賊に扮するエピソードは個人的に非常に面白く感じました。

 中盤では、さまざまな妖怪ハンターが登場し、それぞれのキャラクター紹介も丁寧に行われます。ブタの妖怪との対決が迫力満点で見応えがありました。一方、封印された孫悟空とのやり取りはやや冗長に感じられ、ギャグも多めでテンポが緩やかになってしまった印象も否めません。

 それでも、終盤のクライマックスバトルは漫画やアニメのような派手な演出が満載で、大いに盛り上がりました。孫悟空の圧倒的な強さと暴力性は恐ろしく、敵ながら圧巻の存在感でした。

 改心した妖怪たちの描写がやや薄かったこと、そしてギャグが刺さらないと少々辛く感じられる部分もありましたが、それでもなお、続編を観たくなる魅力に満ちた作品でした。

☆☆☆☆

鑑賞日: 2014/11/24 TOHOシネマズ南大沢 2015/05/29 TSUTAYA TV 2024/08/17 U-NEXT

監督チャウ・シンチー 
共同監督デレク・クォック 
アクション監督クー・フェンチウ 
脚本デレク・クォック 
チャウ・シンチー 
ローラ・フオ 
ワン・ユン 
ファン・チーチャン 
ルー・ゼンユー 
リー・シェン・チン 
アイビー・コン 
出演ウェン・ジャン 
スー・チー 
ホアン・ボー 
ショウ・ルオ 

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