映画【マスターズ・オブ・ユニバース】感想(ネタバレ):地球で育った王子アダムが運命に立ち向かう冒険譚。

Masters Of The Universe
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●こんなお話

 ある惑星の王子が敵に占領されたので地球へ亡命して15年後、再度王位に挑む話。

●感想

 幼い頃、惑星エターニアの王子アダムは、父ランドール王や家臣たちから将来の王として厳しく鍛えられていた。しかし勇敢な戦士になることを期待されながらも、その期待に十分応えられず、自信を持てずにいた。

 そんな中、邪悪な支配者スケルターがエターニアへ侵攻する。王国軍は壊滅的な打撃を受け、ランドール王は捕らえられてしまう。混乱の中、魔術師ソーサレスは王家の血を守るため、幼いアダムを地球へ送り出す。アダムにはグレイスカルの力が宿る伝説のパワーソードが託されるが、地球へ到着した直後の混乱で剣を失ってしまう。

 それから15年後。アダムは地球で平凡な青年として暮らしていた。かつての王子としての記憶は残っており、自分がエターニアの王子であることも理解している。しかし周囲の人々からは空想話を語る変わり者として扱われ、その言葉を信じる者はいない。

 アダムは一般企業で働きながら日常を送っていたが、ある日、失われたパワーソードの情報を耳にする。その剣はコレクター向けのおもちゃショップに展示されていた。アダムは店へ向かい、それが本物のパワーソードであることを確信する。そして剣を持ち去る。

 翌朝、警察によって拘束されそうになるアダム。しかしその場へ突如として敵の襲撃が発生する。絶体絶命の状況の中、幼なじみの戦士ティーラが現れる。ティーラは長年アダムを探し続けており、ついに彼を発見したのだった。ティーラはアダムを連れてエターニアへ帰還する。

 久しぶりに故郷へ戻ったアダムの目に飛び込んできたのは、かつての美しい王国とはまるで別物となった世界だった。王都エターノスは荒廃し、人々はスケルターの支配のもとで暮らしている。父ランドール王は囚われの身となり、母マーレナ王妃も監禁されていた。

 かつて王国を支えた戦士たちも散り散りになっていた。マン・アット・アームズことダンカンは希望を失い酒に溺れ、反乱軍は細々と抵抗を続けるだけの存在になっていた。フィストやロボトらも生き残ってはいるものの、戦況を覆すほどの力は持っていなかった。

 さらに長年地球で暮らしていたアダムは戦士としての経験が乏しく、反乱軍からも頼りない存在として見られてしまう。王子として戻ってきたにもかかわらず、誰もが彼に不安を抱いていた。それでもアダムはパワーソードを手に取り、「By the Power of Grayskull!」と叫ぶ。その瞬間、彼の身体は光に包まれ、伝説の英雄ヒーマンへと変身する。

 圧倒的な怪力と戦闘能力を得たアダムは、次々と敵を打ち倒していく。しかし本人の本質は変わらない。力による支配ではなく、対話と協力によって人々を導こうとする姿勢を持ち続ける。反乱軍はヒーマンを中心に反撃を開始する。

 アダムは父ランドール王の救出を試みるが、その戦闘の最中に王は命を落としてしまう。アダムは父へ謝罪し、自分は期待に応えられなかったと涙を流す。しかしランドール王は、息子に必要なのは力や勇気だけではないと伝え、自らの思いを託して息を引き取る。父を失ったアダムは精神的に大きな打撃を受ける。その後、アダムはスケルターによって捕らえられ、パワーソードも奪われてしまう。

 スケルターはグレイスカル城へ向かい、伝説の力を完全に支配しようとする。しかし剣は本来の持ち主であるアダム以外には真の力を発揮しない。

 牢獄へ閉じ込められたアダムは、母マーレナ王妃や愛する仲間たちと再会する。さらにクリンジャーとも再会し、自分がまだ希望を失っていないことに気付く。アダムは仲間たちを励まし、自ら先頭に立って脱出を成功させる。

 そして戦いの舞台はグレイスカル城へ移る。エターニアの運命を賭けた最終決戦が始まる。アダムは最後までスケルターを説得しようとする。しかしスケルターは力だけを信じており、話し合いを拒絶する。

 激しい剣戟の末、パワーソードは真っ二つに折れてしまうが、砕けたパワーソードは再び一つとなり、アダムは完全なヒーマンとして覚醒する。圧倒的な力を得たヒーマンはスケルターと対峙してという。


 アクション映画としてのサービス精神が非常に旺盛な作品だということでした。

剣による戦いだけではなく、巨大クリーチャーとの戦闘、空中戦、集団戦など、次から次へと異なるタイプのアクションが投入されます。見た目にも変化が多く、飽きさせない工夫が随所に感じられました。

 特に敵キャラクターたちのデザインは印象的でした。いかにも80年代ファンタジー玩具シリーズを現代的に再構築したような外見になっており、不気味さと迫力を兼ね備えています。スケルターをはじめ、幹部たちも一目見ただけで強敵だと分かる造形になっていて、ビジュアル面はかなり楽しめました。

 エターニアの世界観も見応えがあります。荒廃した王都、巨大な城塞、異形の生物たちが生息する荒野など、ファンタジー作品としてのスケール感は十分でした。子供の頃にアニメや玩具で遊んでいた世代なら、画面に映るだけで嬉しくなる場面も多いと思います。

 一方で、個人的には上映時間の長さがかなり気になりました。地球で暮らすアダムの日常、エターニアへ帰還してからの仲間集め、反乱軍の再結成、各地での戦闘、親子関係のドラマなど、盛り込みたい要素が非常に多い作品です。

 そのため一本の映画として観ると、全体的にかなり長く感じました。特に地球パートは後半の壮大な戦いに比べるとスケールが小さいため、物語が本格的に動き出すまでに時間がかかる印象があります。エターニアへ戻ってからも各キャラクターの再登場や説明が続くので、140分という上映時間以上に長く感じる方もいると思います。

 ただ、その長さの代わりに世界観やキャラクターへの理解は深まっています。アダムが単純な最強ヒーローではなく、自信を持てない青年から成長していく過程もしっかり描かれていました。力だけで問題を解決しようとせず、最後まで対話を重視する姿勢もヒーローとして特徴的だったと思います。

 純粋なテンポ重視のアクション映画を期待すると長く感じる部分はありますが、壮大なファンタジー世界をじっくり味わいたい人には満足度の高い作品でした。

 多彩なアクション、個性的な敵キャラクター、壮大な世界観を楽しみながら、ヒーマン誕生の物語をじっくり堪能できる一本だったと思います。

☆☆☆

鑑賞日:2026/06/13 イオンシネマ座間

監督トラヴィス・ナイト 
脚本クリス・バトラー 
アーロン・ニー 
アダム・ニー 
原案アーロン・ニー 
アダム・ニー 
アレックス・リトヴァク 
マイケル・フィンチ 
出演ニコラス・ガリツィン 
カミラ・メンデス 
ジャレット・レト 
イドリス・エルバ 
アリソン・ブリー 
モリーナ・バッカリン 
ヨハンネス・ハウクル・ヨハネッソン 
シャーロット・ライリー 
クリステン・ウィグ 
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