●こんなお話
前作で生き残った主人公親子。都会を離れて田舎で暮らしてるけど、やっぱりサマラのアタックが始まって。「一体どうして?」となる話。
●感想
アメリカ・オレゴン州アストリア。高校生ジェイクは、友人エミリーを自宅へ呼び出し、「呪いのビデオ」を見せようとしていた。ジェイクはすでにビデオを視聴しており、死のタイムリミットが目前まで迫っていた。しかしエミリーは怖がってビデオを見ることを拒否する。やがて時間が訪れ、テレビが突然ひとりでに点灯する。ノイズ混じりの映像が流れ始め、部屋の空気が一変する。恐怖に怯えるジェイクの前へサマラが現れ、ジェイクは顔を歪ませた状態で死亡する。
その頃、新聞記者レイチェル・ケラーは息子エイダンを連れ、シアトルを離れてアストリアへ移住していた。過去の呪いから距離を置き、静かな生活を送ろうとしていたが、ジェイク死亡事件を知ったことで再び“呪いのビデオ”の存在を察知する。
レイチェルは救急車の中でジェイクの遺体を確認する。死体の顔は前作の被害者たちと同じように恐怖で歪み切っていた。レイチェルはジェイクの家へ忍び込み、隠されていた呪いのビデオを発見する。そしてこれ以上被害者を出さないため、そのテープを燃やして処分する。
しかし異変は終わらなかった。エイダンの身体には低体温症のような症状が現れ始め、彼はサマラの存在を感じ取るようになる。鏡やテレビの前で怯え、水を異常に怖がるなど、徐々に異常行動が増えていく。浴室では突然溺れかけるなど危険な状態にも陥り、レイチェルはサマラがエイダンへ取り憑こうとしていることに気づく。
さらにエイダンの状態は悪化していく。病院へ連れて行かれるが、医師や看護師たちはエイダンの低体温症や痣を見て、レイチェルによる虐待を疑い始める。レイチェルは事情を説明しようとするものの理解されず、一時的にエイダンを引き離されてしまう。
レイチェルは息子を救うため、再びサマラの過去を調べ始める。調査の末、彼女はサマラの実母イヴリンへ辿り着く。イヴリンは精神病院へ収容されており、極度の錯乱状態にあった。彼女はかつて「この子を殺せ」という声を聞き続け、その恐怖から幼いサマラを浴槽で溺死させようとした過去を持っていた。しかしサマラは生き延び、その後モーガン夫妻へ養女として引き取られていた。
一方その頃、エイダンは完全にサマラへ支配され始めていた。口調や表情は別人のように変化し、サマラはエイダンの身体を利用し、現実世界へ復活しようとしていた。
病院ではエイダンへ事情を聞いていた医師が、突如異常行動を起こす。サマラの力によって操られた医師は、自ら注射器を首へ突き刺し、その場で死亡する。
さらにレイチェルの新聞社の上司マックスが彼女の家を訪れると、家の中にはエイダンしかいなかった。レイチェルが帰宅するとエイダンの様子は明らかに異常で、言動も完全にサマラのものになっている。そして家の外へ停められた車の中には、顔を歪ませて死亡したマックスの死体が残されていた。
レイチェルは、エイダンの中へ入り込んだサマラを引き離すしかないと決意する。彼女は浴槽へエイダンを沈め、溺れさせることでサマラを体外へ追い出そうとする。苦しむエイダンの身体からサマラの存在が離れていき、レイチェルはサマラが“母親”を求めている存在だと確信する。
そしてレイチェルは、自らサマラの井戸へ向かう決意をする。井戸の中へ降りたレイチェルは、水浸しの暗闇の中でサマラと対峙する。
レイチェルはサマラから逃れながら井戸を這い上がり、最後はサマラを井戸の底へ閉じ込める。井戸の蓋が閉じられ、サマラは再び暗闇の中へ封印される。
その後、レイチェルは意識を取り戻してエイダンと抱き合っておしまい。
ホラー映画としては127分とかなり長めの作品で、全体的にゆったりしたテンポで進行していく映画でした。前作は呪いのビデオというアイデアの強さや、不気味な映像演出がかなり印象的でしたが、本作はサマラそのものへ焦点を当てた内容になっていて、ホラーというより“母子ドラマ”寄りの雰囲気が強かったです。
ただ、そのホラー演出が個人的にはかなり薄味に感じました。息子が鏡を見るとサマラがスーッと近づいてくる場面などは多少ドキッとするのですが、それ以上に「水が天井へ浮かぶ」「鹿が大量に車へ突っ込んでくる」といった場面が続き、恐怖というより不思議映像を見せられている感覚のほうが強かったです。
特に鹿の突進シーンはかなり長く、何を象徴しているのか考えながら見ていましたが、恐怖へ繋がる演出としては少し方向性が違っていた印象でした。さらに、低体温症になったエイダンを服を着たままバスタブへ入れる場面では、「アメリカでは短パンのまま風呂へ入るのか」と別方向で気になってしまいました。
物語の前半は、ひたすらサマラの攻撃で主人公たちが追い詰められていく展開が続きます。しかしレイチェル自身が本格的に調査へ動き始めるまでかなり時間がかかるため、テンポの遅さはかなり感じました。ここまでで映画の半分近くを使っているので、もう少し展開へ変化が欲しかったところです。
後半はサマラの関係者へ会いに行き、徐々に真相へ近づいていく流れになりますが、こちらも静かな会話劇が中心で進むため、全体的に地味な印象が残りました。前作のような「呪いのビデオの謎を追うミステリー感」は薄く、サマラという存在そのものを掘り下げる方向へ変化していました。
クライマックスでは、サマラが母親の愛情を求める存在として描かれ、どこか『仄暗い水の底から』を思わせる流れになります。母性ホラーとして見れば面白い部分もあるのですが、終盤でも恐怖演出がそこまで強烈ではないため、ホラー映画としての爆発力はやや控えめでした。
サマラを井戸へ封印するラストも静かに終わるため、見終わったあとには「結局サマラって何だったのか」という不思議な余韻が残る作品でした。前作とはかなり方向性の違う続編で、呪いの恐怖というより、サマラという少女の執着と母子関係を描いた映画だったと思います。
☆
鑑賞日:2013/10/01 Hulu 2026/05/31 U-NEXT
| 監督 | 中田秀夫 |
|---|---|
| 脚本 | アーレン・クルーガー |
| 出演 | ナオミ・ワッツ |
|---|---|
| サイモン・ベイカー | |
| デイヴィッド・ドーフマン | |
| エリザベス・パーキンス | |
| シシー・スペイセク |


