映画【ヘル・ディセント】感想(ネタバレ):旧ソ連研究施設に眠る異形

THE LAIR
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●こんなお話

 アフガニスタンでソ連の基地にいたエイリアンに襲われる西側の兵隊の話。

●感想

 英国空軍大尉ケイト・シンクレアは、アフガニスタン上空での任務中に敵の攻撃を受け、戦闘機を撃墜される。機体は砂漠地帯へ墜落し、ケイトは辛うじて脱出する。地上に降り立った直後から武装勢力に追跡され、銃撃を受けながら荒野を逃げる。

 身を隠すために辿り着いたのは、旧ソ連時代に建設され放棄された地下軍事施設。内部には白骨化した遺体や無造作に残された実験装置が散乱し、冷凍保存装置や拘束台など、生物兵器開発を示す設備がそのまま残されている。そこでケイトは、かつて極秘裏に行われていた人体実験の痕跡を目にする。

 施設内で封じ込められていた異形の存在が覚醒し、追ってきた武装勢力を襲撃する。それは人間と異種生命体を融合させたような姿をしており、鋭い牙と爪を持ち、暗闇の中を高速で移動する。兵士たちは一瞬で引き裂かれ、通路は血に染まる。混乱の隙にケイトは崩落しかけた通路や狭いシャフトを抜け、地上へ脱出する。

 瀕死の状態で砂漠を彷徨っていたケイトは、近隣に展開していた米軍部隊に発見され救助される。基地で地下施設と怪物の存在を報告するが、当初は真剣に受け止められない。その夜、異形は基地周辺に出現し、哨戒中の兵士を襲撃する。警報が鳴り響き、暗闇の中で銃撃戦が始まる。

 異形は闇に紛れて兵士を引きずり込み、至近距離から襲いかかる。複数体が存在することが判明し、基地は混乱に陥る。部隊は重火器で応戦しながらコンテナに立てこもり一夜を過ごす。ケイトは脅威を断つには地下施設を完全に破壊するしかないと主張し、少数の兵士とともに再び地下へ向かう。

 地下では仲間の一人が異形に連れ去られ、救出のためにさらに奥へ進む。異形は人間の動きを先読みするように待ち伏せを行い、隊員たちは通路や実験室で次々と襲われる。ケイトたちは爆薬を設置し、研究施設の動力部を爆破する計画を実行する。激しい銃撃と格闘の末に爆破装置を起動させ、エレベーターで崩壊寸前の施設から脱出する。

 地上では証拠隠滅のため空爆が実施され、地下施設一帯は大爆発に包まれる。ケイトと生存者は間一髪で脱出し、炎と砂煙が立ち上る中で生還しておしまい。


 クリーチャーサバイバル映画としての勢いは十分に感じられました。撃墜から地下施設への逃走までの流れはテンポが良く、緊迫感を保ったまま物語が進行します。

 特に興味深いのは、異形の存在が宇宙由来であり、その研究のためにソ連がアフガニスタンへ侵攻したという設定です。歴史的事実と架空の陰謀論を組み合わせた発想はジャンル映画らしい大胆さがあり、設定面では惹きつける力がありました。

 一方で、米軍部隊が「問題児ばかり」と説明されるものの、その個性が物語上で十分に活かされているとは感じにくく、人物像の掘り下げは控えめでした。誰がどのような役割を担うのかが明確になりきらないまま、戦闘が進んでいく印象を受けます。

 戦闘シーンは暗所での銃撃が中心で、緊迫感はあるものの、敵味方の位置関係やクリーチャーの数が把握しづらい場面もありました。その一方で、地下通路の閉塞感や闇の奥から突然現れる異形の描写には迫力があり、ホラーとしての瞬発力は確かです。

 全体としては、荒唐無稽な設定を正面から描く潔さと、実践的な軍事アクションを組み合わせた作品でした。設定のスケールと実際の描写のバランスについては好みが分かれますが、モンスター映画としての熱量はしっかり感じ取れる一本です。

☆☆

鑑賞日:2026/03/01 U-NEXT

監督ニール・マーシャル
脚本ニール・マーシャル
シャーロット・カーク
出演シャーロット・カーク
ジョナサン・ハワード
ジェイミー・バンバー
レオン・オッケンデン
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