●こんなお話
世界大会に出場して頑張るジョニーやダニエルさん達の話。
●感想
アメリカ空手選手権・全米大会での戦いから数カ月。かつて敵同士だったダニエル・ラルーソーとジョニー・ローレンスは、道場「ミヤギ道」と「イーグルファング」を統合し、世界最大の空手大会Sekai Taikai出場を目指して生徒たちを鍛えていた。一方、刑務所で死んだとされたジョン・クリースは実は脱獄に成功しており、裏社会に潜みながら “本来のコブラ会” を復活させようと暗躍を開始する。
世界大会の選考が進むロサンゼルスの空手界に、再びテリー・シルバーの影が忍び寄る。かつてダニエルたちを苦しめたシルバーは病により余命が短くなり、最後に空手界へ遺す計画として、世界大会を自分の意図した形に導くことを目指していた。彼は資金力と人脈を動かして主催者へ圧力をかけ、表からは見えないところで運営を操り始める。
若い選手たちは将来を懸けて予選に挑むが、熱気の中で乱闘が起き、混乱の渦に巻き込まれたクウォンが重傷を負って命を落とすという痛ましい出来事が発生する。大会は一時中止となり、若者たちは深い衝撃を受け、勝利への執着が何をもたらしたのかを思わず振り返ることになる。
そんな中、長く姿を消していたクリースがジョニーの前に現れ、これまでの暴力と支配を謝罪する。彼は「コブラ会」の権利をジョニーへ託し、自らの過ちが若い世代に受け継がれないことを願って去っていく。一方でミゲルやロビー、トリー、サムたちもそれぞれの課題に向き合っていく。ミゲルとロビーは長い対立の果てに互いを認め合い、トリーは自分の正しさを信じて進む決意を固め、サムは空手への思いと将来について改めて考える。
シルバーが背後から糸を引くことでSekai Taikaiは復活し、世界大会本選が始まる。各道場が激しい戦いを繰り広げ、ポイントはどこも譲らない展開になる。男子部門ではミゲルが決勝へ進み、女子部門ではトリーが優勝を勝ち取るが、総合優勝の行方は最終戦に残された師範同士の直接対決で決まることになる。
その頃、クリースはシルバーとの因縁に決着をつけるために動き出す。二人はシルバーのヨットでぶつかり合い、炎に包まれた船とともに海へ消えていく。二人の生死はわからないまま、かつての“古いコブラ会”はこの時を境に姿を失う。
一方、ジョニーはアイアンドラゴンズの師範ウルフとの対決へ臨む。世界を渡り歩いてきたウルフは鋭い攻撃力を備え、冷静に相手を追い込んでいく強者だった。ジョニーはチョーゼンやダニエルとの修行を通して、若い頃の攻撃的な戦い方にミヤギ道の防御の技を重ねた新しいスタイルを身につける。激しくぶつかり合う中で体力は削られていくが、最後の瞬間に自分の道をつかんだジョニーは、渾身の一撃でウルフを倒してコブラ会は世界大会で優勝を果たす。
大会後、生徒たちはそれぞれの道へ進んでいく。ジョニーとダニエルは長い対立を超えて互いを認め合い、ジョニーは新しいコブラ会を開き、ダニエルもミヤギ道空手を続けていく。二人はようやく同じ方向を見つめながら、新しい空手界を歩き始めておしまい。
世界大会という大舞台らしく、スケールの大きいアクションが続いていく展開がとても楽しく、序盤から終盤まで勢いを感じられる内容でした。特にクライマックスのバトルでは過去作の映像が重なり、物語がこれまで積み重ねてきた歴史が画面に響き、自然と胸が熱くなる時間がありました。ミヤギさんの存在が登場して映像として差し込まれる場面も、シリーズを追ってきた人にとっては大きな見どころだと感じます。
物語全体としては多数のキャラクターが動く群像劇の色が強まり、チョーゼンと韓国の師範の恋愛コメディのようなシーンが挿入される場面もあり、静かに眺めてしまうところもありました。中盤まではジョニーがやや脇に回っている印象がありましたが、後半になると物語の中心へ戻ってきて、最終戦の盛り上がりと合わせて非常に良い形になっていたように感じます。
アクションシーンの中には大きく盛り上がりきらない部分もありましたが、全体としてシリーズにふさわしい熱さがあり、ジョニーとダニエルがようやく対等な関係を築き、真っすぐに空手と向き合う姿には爽やかな余韻が残りました。シリーズを追う楽しさを改めて味わえる内容だったと思います。
☆☆☆
鑑賞日:2025/11/26 NETFLIX
| 監督 | ジョン・ハーウィッツ |
|---|---|
| ヘイデン・シュロスバーグ | |
| 脚本 | ジョン・ハーウィッツ |
| ジョシュ・ヒールド | |
| ヘイデン・シュロスバーグ |
| 出演 | ショロ・マリデュエニャ |
|---|---|
| ラルフ・マッチオ | |
| ウィリアム・ザブカ | |
| タナー・ブキャナン | |
| メアリー・マティリン・マウサー | |
| ジェイコブ・バートランド | |
| マーティン・コーヴ | |
| ペイトン・リスト | |
| ジャンニ・ディセンゾ | |
| コートニー・ヘンゲラー | |
| ユージ・オクモト |

