●こんなお話
地球に宇宙船が墜落してエイリアンとか未知の生物とかを飼育するけど案の定…な話。
●感想
物語は宇宙船が地球に墜落する場面から始まる。この事故を契機に、人間の意識と人工知能を融合させた存在=ハイブリッドが登場する。そのひとりであるウェンディは、少女マーシーの意識を新しい肉体に移植された存在だった。
ウェンディを含むハイブリッド世代と、地球上の大企業たちは、墜落した宇宙船に眠る未知の異星生命体とその技術をめぐり暗闘を繰り広げる。調査隊や軍事部隊、科学者たちは宇宙船内で次々に襲撃を受けながらも生物を確保しようと試みるが、そこで得られた標本やデータは企業間抗争の中心となっていく。プロディジー社とウェイランド・ユタニ社は互いを出し抜きながら、ハイブリッド技術と異星生命体の遺伝子を融合させ、生物兵器化を狙っていた。
その一方で、ウェンディ自身は自らの存在と意識の由来、ハイブリッドとしての目的に疑問を抱き始める。仲間であるロストボーイズと共に未知の異星生物や寄生体、ゼノモーフと対峙しながら、彼女には異星生物と“共鳴”する力や電子機器を“遠隔操作”する能力が芽生えていく。やがてその力は戦局を左右する重要な要素となっていく。
物語はハイブリッド内部での対立にも発展し、選別や裏切りが繰り返される。ロストボーイズはプロディジー社の支配下にあったネバーランド島を掌握し、ゼノモーフを自らの“駒”として使い反乱を開始。ウェンディに従うエイリアンは守護者のように描かれ、支配していた企業幹部たちは捕らえられ牢に入れられる。かつての権力関係は逆転し、ハイブリッドたちが新たな秩序を宣言する。さらに寄生体が人間の死体へ転移していく描写もあり、次なる展開を示唆して物語は締めくくられる。
クリーチャーの多彩さが魅力的でした。隔離された空間で次々と広がっていく恐怖の連鎖は、まさにエイリアンシリーズらしい緊張感があり、怪物たちが暴れ出すシーンにはファンとしてワクワクさせられました。企業と異星生物をめぐる駆け引きの中で、ハイブリッドたちが新しい秩序を築こうとする展開も興味深かったです。人間サイドがおっちょこちょいでピンチが広がっていくのもシリーズならではだったと思います。
ただ一方で、冒頭から専門用語がテロップで大量に提示される構成は、理解が追いつかずに戸惑いました。登場人物たちの関係性も把握しにくく、会話の内容が頭に入りにくい印象を受けました。個人的には期待が大きかっただけに、物語の複雑さと説明の多さに流れが止まってしまった部分は残念に感じました。とはいえ、エイリアンの恐怖と新しいハイブリッド像を掛け合わせた試みは面白く、次の展開にどう繋がっていくのか楽しみでもあるシリーズでした。
☆☆
鑑賞日:2025/09/24 Disney+
監督 | ノア・ホーリー |
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製作総指揮 | リドリー・スコット |
出演 | シドニー・チャンドラー |
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アレックス・ローサー | |
ティモシー・オリファント | |
エッシー・デイヴィス | |
サミュエル・ブレンキン | |
バブー・シーセイ | |
デイビット・リスダール | |
アダーシュ・ゴーラブ | |
エレナ・ジェームズ | |
ディエム・カミーユ | |
モエ・バーエル |