映画【海難1890】感想(ネタバレ)

1890
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●こんなお話

 実際にあったトルコの船が沈没して、和歌山の人たちが助けた話とイランイラク戦争で日本人が国外に脱出できないときにトルコの人が助けてくれた実話の2本立ての話。

●感想

 この映画で描かれる2つのエピソードは勉強不足で全く知らなくて、それを知ることができるだけで満足な作品でした。それに撮影も本格的で外国とかを描くと安っぽくなりそうですが、そういうのはなかったので世界観に入り込みやすかったです。トルコ人の方がトルコ描写をどう思うのか知りたいです。そして目の前で困っている人がいたら助ける。という日本人の価値観みたいなものを見るのは気持ちのいいものでした。

 ただ日本とトルコを同時進行で描くので、海難事故が起こるまでが結構長く感じられて、かつキャラクターの描かれ方が不足しているように思えて退屈でした。無料じゃ診ないと言ってた竹中直人さん演じるお医者さんは止血するだけが献身的な姿で感動できないし、夏川結衣さん演じる遊女が一肌脱ぎますとかも他に見せ方なかったのかな? と疑問でした。村人たちの救出劇ももっとスリリングにしてもよかったのではなかろうかとなかなか退屈でした。その後もトランペットを吹くでかいトルコ人と子どもたち、焼き鳥を分け合うトルコ人と子どもとかエピソードは描かれるけど、あまり暖かさを感じられなかったです。

 そして後半はいきなり時代が飛んでイランが舞台になって、困った日本人たちを救うトルコ人たちの美談。爆発が起こって混乱している空港でトルコの大使館員が演説しただけでトルコ人たちが卒業生を見送る在校生たちみたいに列になって拍手しながら見送るというのも笑いそうになりました。無差別攻撃までのタイムリミットが迫る中、トルコ政府やトルコの航空関係者が献身的に日本人を救うというのも、映画としての脚色で盛りあげてもよかったのではないかと疑問に感じながら見てました。

 こういう人間の奇跡みたいな美談を描くのはいいとは思いますが、日本とトルコ政府が関わっているためかもっとハラハラドキドキした作品を見たかったです。

☆☆

鑑賞日: 2015/12/17 TOHOシネマズ川崎

監督田中光敏 
脚本小松江里子 
出演内野聖陽 
ケナン・エジェ 
忽那汐里 
アリジャン・ユジェソイ 
小澤征悦 
螢雪次朗 
かたせ梨乃 
夏川結衣 
永島敏行 
竹中直人 
笹野高史 

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