映画【アーミー・オブ・シーブズ】感想(ネタバレ):ゾンビ映画の前日譚!?王道チーム強奪モノとしても楽しめる異色アクション!

Army-of-Thieves
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●こんなお話

 難易度の高い金庫をいくつも破ろうとする強盗団の話。

●感想

 普段はごく普通の会社員として静かに動画投稿をしながら暮らしていた主人公が、ある日ひょんなことから“地下の金庫破り大会”のようなイベントに巻き込まれ、思いがけず優勝してしまうというところから始まります。

 その実力を見込まれ、謎の女性にスカウトされて国際的な金庫破りチームに参加することに。そこには、天才ハッカー、熟練ドライバー、戦闘に特化したメンバー、冷静沈着なリーダーと、少人数ながらも個性的で精鋭揃いの仲間たちが待っていました。難攻不落とされる世界的な金庫に挑む中で、ステップごとに難易度が上がっていく仕組みが説明され、観る側の期待感も高まります。

 実際の強奪シーンでは、ナレーションとテンポの良いカットでそれぞれのキャラクターの動きが描かれ、チーム強奪ものの醍醐味がしっかりと堪能できました。さらに、彼らを執拗に追うインターポールの捜査官の存在も、ルパン作品における銭形警部のようなスリルを与えてくれます。

 物語が進むにつれて、チーム内の人間関係にも変化が生じます。主人公は恋愛のもつれから仲間に裏切られ、一人きりで逃亡する羽目に。女性陣も男性陣に見切りをつけて離脱し、最後は主人公と女性陣がタッグを組んで最難関の金庫破りに挑むクライマックスを迎えます。

 ただし、ストーリー全体としてはやや軽めで、難攻不落のはずの金庫も主人公の才能によってあっさり開かれてしまったり、敵の居場所がGPSで簡単に判明したりと、障害の描写に物足りなさを感じる場面もありました。銃の撃針が抜かれていて撃てない、という逆転劇などもややご都合主義的に感じられるかもしれません。

 それでも本作は、ゾンビ映画の前日譚という位置づけながら、あくまで王道の「チーム強奪アクション映画」として成立しており、気軽に楽しめる作品として十分魅力的な1本でした。

☆☆☆

鑑賞日:2022/05/04 NETFLIX

監督マティアス・シュヴァイクホファー
脚本シェイ・ハッテン
出演マティアス・シュヴァイクホファー
ナタリー・エマニュエル
ルビー・O・フィー
スチュアート・マーティン
ガズ・カーン
ジョナタン・コエン
中井ノエミ
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