●こんなお話
猟奇連続殺人が起こって、刑事が捜査するけど自分の奥さんと子どもを誘拐されたので動揺しながら私的に探す話。
●感想
大友監督作品らしいダイナミックなカメラワークは派手で大作感いっぱいの作品でよかったです。美術とかも後半の犯人の屋敷とかよかったです。
猟奇事件が発生して捜査するうちにある事件の裁判員裁判に関わった人たちが狙われることがわかって主人公の奥さんと子どもが誘拐されて主人公が捜査を始める。
冒頭から家庭を顧みない仕事人間で奥さんと子どもが出ていっている。というこれまで2万回作られたかのようなキャラクターでこの時点で見る気が失せていきました。後輩の刑事も「婚約者がいて」みたいな話をしている時点でこのキャラクターの顛末を予想したら案の定な結果でステレオタイプすぎるキャラクターたちで新鮮さに欠けました。
わかりやすさ重視なのか登場人物たちが画面で映っているのに「○○の刑」とセリフで言ったり電話を受けたリアクションがいちいち大げさだったりと一体何十年前の演出なんだろう? とこういうところでも見る気が失せてしまいました。
犯人のカエル男がなぜこんなことをするのか? 真相は何なのか? と興味を持って見ていっても主人公がなぜあそこまで必要なまでに狙われるのかわからなかったです。他の裁判員たちも同じような目に遭っているのだろうか?
主人公が中華屋でご飯を食べてたらクレーマーみたいなお客さんが騒いだことにより「アレルギー?」と犯人がアレルギー持ちかもしれないと気づいたり、同僚の刑事さんがお医者さんと喋っただけで「あの時のあの事件の資料をくれ」と事件のきっかけに気づいたり捜査の進展が全部偶然なのもミステリーものとして弱かったです。
猟奇殺人犯のカエル男の背景や動機がわからないけど怖いとかの描き方だったらそれはそれでわからない恐怖が見られて面白いと思いますが、そういったものもなく。そんなことよりも閉じ込められた刑事がいきなり高校時代を回想してお父さんとの思い出のシーンになったりして、回想のせいで進行が停滞してしまったりして長く感じました。
主人公が車ですれ違ってフードの男を見ただけで「あいつだ!」と追いかけてカーチェイスを始めて、何で犯人とわかったんだろう? 人違いだったらどうしたんだろう? 新人刑事が屋上から…。のシーンで、どうして主人公は犯人を追いかけないのだろう? 主人公と後輩が混んでる居酒屋みたいなところで捜査の状況を話していいのだろう? 犯人が入院している病室に警備もいないでお見舞いってできるんだろう? とかいろいろ気になってしまって入り込めなかったです。
日本の刑事さんって豪雨でも傘をささずにコートずぶぬれになりながら歩くんだなと勉強になる作品でした。
☆☆
鑑賞日: 2016/11/18 TOHOシネマズ川崎
監督 | 大友啓史 |
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脚本 | 高橋泉 |
藤井清美 | |
大友啓史 | |
原作 | 巴亮介 |
出演 | 小栗旬 |
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尾野真千子 | |
野村周平 | |
伊武雅刀 | |
田畑智子 | |
市川実日子 | |
大森南朋 | |
松重豊 | |
妻夫木聡 |
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